今回は、『恋人以上のことを、彼女じゃない君と。』3巻です。
間に現在の2人を挟みつつ、本編は過去の大学生時代の2人のやり取りが中心でした。終わりを知っているからこそ悲しさはありましたが、今との対比や初々しさも感じられて良かったです。
感想
〜アジフライ〜
気になっていた糸にどうアプローチするか倦ねていた頃の話。
糸の興味があるというアジフライを食べに誘おうとして、門限9時もあって一度は撃沈の冬。この頃はまだ糸の父の束縛も知らなかったのだから仕方ないけど諦めるのはやー。
しかし、例の梅雨フリマでの一件があって急速に距離が縮まると。多分、本当に大窪に突っかかっていった冬を、糸はキラキラした目で見てたんだろうなぁ。
〜散歩〜
それから、糸と冬は放課後アジフライ部なるものを結成。糸の家庭事情も知っていく。
ネーミングセンス⚪︎。お互いの家庭事情を共有した上で付き合う事に。門限の話を男では冬にしかしていなかったのは、初対面で似た雰囲気を感じたかららしい。
〜恋人〜
恋人となった2人は、パスタを食べたり、ゲーセンに行ったり、ラブホに近付きかけてしまったり。
ゲーセンの話は前にも出てましたが、糸が全然取れなくて、それをスッと冬が獲ってしまうのは賛否両論ですね。まぁ、この時は糸の負けず嫌いさを知らなかったというのもありますが。
あとは、食べる速度を合わせるだとか、がっつかないとかは初々しかったです。
〜水族館〜
糸発案で水族館デート回。
定番こそ正義。タコは確かに美味しそうに見えるかも。
お互いにお互いを隠し撮りしていて、データ通り3回目のデートでキスまで到達。瑠璃色のキスて。
〜ティラミス〜
ティラミスを作れるという糸の話を聞いて、成り行きで大学近くの冬のアパートに糸がやって来る話。
これを機にそのままフェアリーテイルがあり、呼び名を変え、糸の引き笑いの制御も解放するという、大きな出来事でした。
お互い自己肯定感低めなのが、話し合う事で解消するのがリアリティがあって良かったです。
〜下北沢〜
古着屋とカレーを食べに下北沢に行く話。
彼女の好きと言ってくれた服を着たいという冬の気持ちは分かりますねぇ。糸さん食べ物には興味あるんだけど…。
〜こたつ〜
空きコマにこたつのある冬の部屋へ。
この生活感というか距離感は、勝ち組って感じかな。人聞きワルイージ。
〜お泊まり〜
糸の父が海外出張で糸が初のお泊まり。
倦怠期を疑いつつ、ただ糸の体調が合わなかっただけと知って一安心。付き合ってまだ時間が経っていない頃の、温度差とかこの疑心暗鬼感は怖い。
〜コンディション〜
激しいフェアリーテイル後の糸の食欲に絶望する回。
男の人ってあんなにできるんだね、のあんなにがどんなにだったんでしょう^^
〜学園祭〜
SF研究サークルで売り子をする学園祭。
ちょいバカップル感が滲み出てきているような。
〜カルーアミルク〜
糸が20才となり、2人飲酒が出来るように。
お酒に強い糸だったものの、カルーアミルクの飲みやすさ故に飲み過ぎて、結果またバカップル度が加速したような。
〜江ノ島〜
浴衣での江ノ島デート回。
不穏な前置きがありましたが、これがきっかけで糸の父親に冬の存在がバレたと。この時はまだインターンとかの会話も明るかったのに…。
〜聖蹟桜ヶ丘〜
糸の実家に呼ばれた冬。耳をすませばの聖地でもあるらしい。
恙なく父親との会話もしたように見えましたが、これがきっかけで糸への就職の圧が増したという事で、江ノ島は大失策だった訳ですね…。とは言え、いつかは彼氏の存在は明かさなければいけなかったんですが。
〜就活〜
自分のやりたい仕事以外を選択肢に入れるなど、糸の様子がおかしくなっていく。
こんな時に、理由をサラッと聞ければ良いですが、頑なに言いたくない雰囲気をこじ開けていくのも難しいと。ギャルゲーで言えば好感度不足って事になるんかなぁ。あるいは、察してあげるしかないか。
〜恋〜
お互い就活で疲弊する中で、現実を見てはすれ違っていく。
嫌いにならない為に別れるというのは、自己満足のような気がしてしまうかなと思います。まぁ、進路となると難しい時期なのは承知ですけども。
それでも終わり良ければと思いますが…。
今回のbest words
私、パスタの大将って決まんないんだよね (p.90 糸)
あとがき
前から思ってたけど、糸の引き笑いって実際はどんな感じなんだろうね。
関係の進展を申し出た冬に対して、曖昧な返事をする糸の意図とは…(ァ────っ!)