今回は、ソード・オラトリア15巻です。
ダンまちの外伝である本作を1巻から読めてはいないのですが(いつか読むと思う)、本編20巻とリンクするという事で、一足飛びに読ませていただきました。
とにかく悲惨、凄絶、酸鼻…。ラスト50ページの惨たらしさと言ったら凄い。分かった上で怖いもの見たさで読んではいますが、本当に壊滅じゃないっすか…。
あらすじ
フィン、リヴェリア、ガレスがレベル7となった【ロキ・ファミリア】は、ギルドと学区がごたつく中、最高到達階の更新と『穢れた精霊』の討滅を目的に遠征を計画。その遠征には、他派閥も参加し強力な部隊を形成していた。
50層からは精鋭のみで階下を目指し、所々で危ない場面もありながら、流石の強さで目的の60階へと到達する面々。階層終点には、『穢れた精霊』と死した筈のアウラの姿が…。
感想
一応、これまでの個人的なダンまち遍歴として、ダンまちアニメ1〜2期→ソード・オラトリアアニメ→ダンまち原作という流れでここまで来ました。
なので、多少外伝のキャラを知ってるとは言え、流石にこれまでの事件や追加のキャラクターとの関係性なんかはカバー出来てないので、1巻から読もうね…という。
ただ、60階層への遠征で何があったのかを知れたので、15巻から読んでもそこは悪くなかったのかなーと思ってます。
さておき、序盤は遠征への準備や同行者集めがあって、中盤から終盤はもう順風満帆と言って良い感じで進んでいました。それこそ、本編では30階前後で死地というイメージだったので、サクサク60階層まで行ってたのは別格だなぁと思ってました。
経験則や対処法が分かっている、本文的に言うなれば未知を既知にしてきたからこそ、多少の危険も冷静に対応しているように見受けられました。いや、蜘蛛型モンスターに寄生されたシーンなんかはグロテスクで冷や冷やしましたが…。
ただ、何が派閥連合を襲ったのかというのは、何か敵がというよりも、こちらの戦力を利用してというか、奪った事による撹乱や、こちらの戦力ダウンと向こうの戦力アップによる部分が多かったように思いました。こっちが強いせいで、それを掠め取られると途端に押されるというか。
レヴィスの件は完全に新参者には分からなかったのですが、自分が死ぬ事で発動する呪いでアイズを捕縛、アイズを取り込んだ『穢れた精霊』がアイズの分身体を増殖し暴走、一気に形成が不利に…という流れでした。
ソード・オラトリアのシリーズはアイズの物語であり、『穢れた精霊』もアイズを終始求めている様子で、やはり連れてこなかった方が良かったのでは…という気もしますが、それだと『穢れた精霊』を討伐出来ないって話になるだろうし、こうなるのは必然か…。
という事で、新層に主力メンバーを残したまま、ラウルやレフィーヤらだけが這々の体で脱出したという顛末に。死者も10人以上出し、さらに主力メンバーが戻って来てないというここまで最悪の状況とは思わなかった。
戦場から逃げ出したラウルを責めるのは酷であり、寧ろ生存者や下の情報を連れて戻ってくるという判断は、次に繋がると考えるしかないですね。ベルもそういう悔しさの中で強くなっていったので。英雄は無駄死にしないってね。
その他、アイズ目線でのベルとの特訓を見てると、アイズさんベル君好き過ぎ!とニヤニヤしてしまったり、オッタルさんは1人で階層主を倒し、フレイヤの為にしか動かないの逆に格好良い!と思ってしまったりでした。
レフィーヤのおっ…の挿絵も好き。
今回のbest words
ベルの先生は、私だよ? (p.112 アイズ)
あとがき
本編と同著者が外伝やってるパターンって結構珍しい気もするな。設定や物語の組み立てやすさの一方で、本編は疎かに出来ないしシンプルに激務になりそうだし…。
外伝だから良いんですが、やはりベルに期待したくなってしまう気持ちが強いなぁ。