今回は、デアラ21巻です。
え…モン娘?という表紙にお口あんぐり。上巻ではどういう存在なのか明かされる事はありませんでしたが、十香絡みなのは間違い無い筈だが…。
あらすじ
大戦から1年。それは、十香が消滅してからの1年でもあった。平和に暮らしながらも、どこか心にぽっかりと穴が空いたように過ごしていた士道は、折紙、二亜、狂三、四糸乃、琴里それぞれと交流していく中で、自分のすべき行動を考えていく。
そんな時、久々に空間震警報が鳴り響く。澪がいなくなった事で精霊はいなくなったにも関わらず、現れた人影には霊波反応が確認されて…。
感想
次の巻が最後と言ったな。あれは嘘だ。という事で、上下巻構成。下巻が出るまでも5ヶ月空いてたようなので、当時の読者はモヤモヤしただろうな…。
と言っても、600頁越えになるんだったら分けてくれた方が嬉しいし、この決断は英断だったと私は思います。
何故ここまでのボリュームになったかというのが、1章につき1精霊という形で、短編のようにそれぞれにスポットが当たる構成になっていた為。これ最後に十香が待ってる形式でもあるし、今からでも泣けてきそうだぜ…。
さておき、表紙の精霊?は識別名をビーストと命名。澪との関係は?本当に対話出来るの?というあやふやさながら、士道も能力を失った状態だけど、助けるぜ!という姿勢を見せた所で引きとなってました。
狂三の能力を使えばとか、未来から送り込まれた精霊?とか色々憶測はありましたが、正体不明としか言いようがなく。各章の不穏な終わり方も気になる。グッドエンドへの道のり出来てるんかなこれ笑。
それぞれの精霊との絡みでは、まず折紙がフォトウェディング的な形で士道を誘う話。幾分当時よりはマイルドになった気もしますが、何より十香を認めているのが分かるのがエモい。
二亜は普段の駄目人間さやお茶ら気もありながら、ふとした時に見せる人生の先輩としての大人な意見が良かったです。
普通に、二亜のメシスタントが最高の就職先なんだけれども笑、士道は後押しもあって両親と同じ会社で精霊を研究する道を考えているようで。
マリアの分身を漫画のアシスタントに使うのが有用に見えて、めちゃ高給取りか…。
狂三のその後は精霊マンションではなく、屋敷っぽい所で暮らしている模様。士道と山打紗和の墓参りに行く話でした。一応、十香ワールドで紗和は復活してたんだよな。
因みに、狂三の体から澪が出て来る件の後に、本体に意思を戻していたようで、何とも刻々帝の便利さよ。それと、狂三の中にはまだ厨二心が残ってそう笑。そういう点でも、士道とは相性が良い。
それと、士道が狂三を封印する際に、やり直すと宣言したものの叶わなかった事を謝罪するシーンが入ってたのも良かったです。何かしらまだ狂三には手立てがあるのかどうか。
狂三が言ってた短冊は、アンコール1巻の時の話かな。
四糸乃の話は1番好きでした。そもそも、初期の精霊は1巻だけとかもあったからなぁ。という訳で、四糸乃の過去を辿ろう!という話でした。
ファントムとの遭遇の記憶がない精霊達の過去をラタトスクが調査していたらしく、当時病弱だった四糸乃が入院していた病院へ。名字が氷芽川だったのもびっくりしたし、母の渚沙が事故で亡くなった事も判明。それがきっかけで精霊になったっぽい。
それで、よしのんのパペットは母の手作りであり、快活そうな母が腹話術をやってたという。よしのんは母が見守っているという象徴でもあったと。四糸乃もよしのんジュニアを作っていたけれども、母には見せられなかったのか。
そんな四糸乃は、精霊になった事で今元気に暮らせているのは良かったなと。七罪という友達に、士道という大好きな人がいて。にしても、急に大人っぽくなる四糸乃のギャップは強いぜ。
琴里に関しては、ビーストに立ち向かおうとする士道を引き止めようと一悶着ありつつ、流れで告白しちゃったり何だりありました。結果上手くはいかなかったものの、黒と白のリボンが混ざった状態で行動するという、また1つ強く強欲になれたのかなーと。
士道は、純粋な精霊?の十香を選ぶのだろうか。みんな好きだぜ!に落ち着くのか…。
今回のbest words
──妹に対する想いが恋に劣るなんて、一体誰が決めたんだ? (p.288 士道)
あとがき
エレンが記憶喪失でラタトスクに加入し、学校では副担任になる流れは意外でした。でもこの人、顕現装置ないとポンコツだから…。
そう言えば、精霊の反転とかの話はまだ消化不良感あるな。