デート・ア・ライブ22 十香グッドエンド下 感想 ★★★

2020.3

今回は、デアラ22巻です。

シリーズ最終巻。表紙を捲って盛大にネタバレを食らうとは思わなかった笑。いやそりゃビーストは十香だろうけども。捲ってタイトルロゴが入ってるのも初めてかな。

あらすじ

現れたビーストは全てを破砕する爪と、精霊達の天使を有していた。マリアが用意した〈世界樹の枝〉を当てさえすれば、天使を引き剥がせるらしく、全員で立ち向かうが…。

何とかビーストを追い詰めるも、空間の裂け目へと逃亡してしまう。しかし、士道の元へ落ちてきた〈暴虐公〉によって、追う力を得るのだった。

「──おまえを、救いにきたんだ」

感想

最後のセリフを入れたかったんだろうな〜というのは重々承知なのですが、精霊1人1人の章を作りながら、ストーリーを進展させていくのはちょい無理があったかなぁと思ってしまいました。

七罪の過去なんて、ただのネグレクト親の話なので、これを最終巻に入れてしまうかと。今も弱気な部分がありながら、周りに支えられて強くなったというのは良いんですが、流石にな…。

どうすれば良かったかと言えば、シンプルに短編集に収録していけば良かったのではないかと思います。前の巻の四糸乃の話も良い話だったので、それはそれで楽しみたかったような。

そして、ラストの十香との再会が一瞬で、あれもう終わり?みたいな感じになってしまったのが残念でした。もちろん十香と会う事を目標として行動してた上で、最後会えたのでそれはもう大団円ではある。

ただ、士道の夢とか時間の経過とかも大事な要素であり、何か狂三が動いてるな〜と思ったら、明確な描写がないままにラストにいってしまったので、モヤモヤ感が…。すぐに逢わせてあげたいし、会わないと完結しないのは分かるのですが…。

そういうモヤモヤな部分があったので、それなら各精霊の話は脇に置いて、どのような過程で十香との邂逅を迎えたのか、欲を言えば十香との絡みをもっと描いて欲しかったかな〜なんて思います。

結論から言えば、澪が十香を形作るよう働きかけていて、ただそれでは時間が掛かり過ぎる為に、平行世界の十香を媒介として、十香が顕現する事が出来たというような、筋書きと考えられます(間違ってたらすみません)。

その平行世界の十香こそがビーストの正体であり、何らかの理由で士道が死に暴走した成れの果てだった模様。反転を通り越した姿?

それで、平行世界で生き存えていた?狂三(大人な姿がかっこいい)が、十香に世界をやり直す事を提案して、これも十香と士道の再会に一役買ってるんだろうね。

いや、ラストシーンが急に来たもんだから、平行世界でやり直した故の再会なのか、やり直した事で、現実に十香を形作る事が出来たのか分からない。普通に後者だとは思いますが、読者に委ねる部分も大きい気がしました。

先ほど士道があまり何もやってないみたいな事を言ったような気がしますが、七罪のファインプレーでビーストから精霊の力を剥がし、その後に十香として対話して心を救った事で、狂三の提案にも繋がっているから、ちゃんと役割は果たしてました。

ビーストが10の剣を持っていて、それぞれの精霊の力を有していたのは、澪がこちらの世界にビーストを呼び寄せる為だったりするんでしょうか。精霊達に能力を与える為にそんな武装をしてるのかって感じでもありました。

にしても、士道と十香の関係は、恐らく敢えてだと思いますが、真士と澪の関係に寄せているんだろうなと思いました。と言っても、最愛を失い自暴自棄になりかけた十香が最終的に幸せな再会をするので、良かったです(平行世界の記憶はなし?)。

六喰の話では、姉の朝妃との再会があり、士道に切ってもらった髪を綺麗と言われていて、報われてました。髪をひげとかまゆげにする姿はキュート。

七罪の話は先ほども少し触れましたが、シングルマザーでネグレクト、給食の為に学校に行く生活を送っていたらしい。養育費を貰っていた父が死亡し、母に殺されかけた所で精霊に。

本名が鏡野七罪。根暗川でも陰伽田でもなかった。名前の由来とかも知りたかったなぁ。罪を名前に入れるのは碌でもない気もするが…。とりあえず反骨精神で輝いてました。

八舞姉妹は、まさかの風待八舞で、八舞が名前だった。バニシングツインという、双子として身籠られながら、片方しか産まれなかったという状態らしい。

当然人間時代は1人であり、子供を助けて事故に巻き込まれた際に精霊となり、分裂したとの事。融合した時には2人の口調が混ざる形に。どちらが妹かではないって感じか。

美九は、アイドルとして海外進出の話が出た時に、どんな道でも応援すると士道に言われた事もあって、士道が平行世界に行く後押しをするシーンがありました。いつもはアレでもちゃんとお姉さんしてる。

4月10日、桜の木の下で十香と再会。これから士道はどんな大学生活を送っていくのでしょうか(折紙と同じ大学らしい)。

まぁ、澪の話で完結させても良かったというのもありますが、これはこれで1つの形なので何とも。ただ、十香がこういう立ち位置になるのは予想外だったのは確かでした。いつも明るくシドー!シドー!と言ってたのが遠い昔のように思える…。

今回のbest words

──私の名前は夜刀神十香。大切な人にもらった、大切な名だ。──素敵だろう? (p.325 十香)

あとがき

筆者あとがきでは、各キャラクターに一言ずつ想いをぶつけてました。9年も続けば色んな感情はあるだろうなぁ。

まだアンコールとかも残ってますが、ひとまずお疲れ様でした!