今回は、短物語です。
戦物語の時の反省を生かして予約をしていたので、9/11発売の本書をその週末に読む事が出来ております。という事で、オフ&モンスターシーズンのアニメ放送中の中での短々編。
名作をキャラクターに喋らせて投影させて話を広げる展開も多かったですが、短くても面白かったのは流石でした。所々笑えましたが、なでこプールが強烈でした。
感想
〜ひたぎブッフェ〜
ケーキブッフェに来た阿良々木とひたぎ。
体重の話になっていて、阿良々木は吸血鬼体質のお陰でベストコンディションに保たれると。一方のひたぎは、元が細かったとは言え5kg太った(増えた)ものの、流石のストイックさで減量したとのこと。
好きな物を見つけること、そして好きな事を好きな時に好きなだけする事が幸せなのかも。
〜まよいルーム〜
阿良々木が部屋に八九寺を拉致してしまった話。
エロ本を妹の部屋に隠しているという斬新な事実も発覚。道が住処な八九寺が鞄を降ろして束の間の仮眠を取るのは穏やかな終わり方。と思いきや、オチは羽川にバレてて何かしらの制裁を食らったらしい。
大富豪の救急車ルールとかローカル過ぎて初耳w
〜するがコート〜
神原とバスケ対決する話。
果たし状を書いたのにゴスロリっぽいファッションで現れる神原でしたが、試合になれば120-0。よく2時間もやってたな…笑。
〜なでこプール〜
撫子に泳ぎを教えて欲しいと頼まれて市民プールに行く話。
泳ぎが得意だったらしい阿良々木が、妹達から河童と言われていたと話したら、撫子の尻子玉を取って欲しいな!と返した撫子のセンスよ。
それから、阿良々木より早く着替えて出て来たばかりか、過激なビキニで現れただけで笑いました。世間に千石を投じるファッション。暦お兄ちゃんへの好きさが随所に出てました。
オチ→吸血鬼は泳げない。
〜つばさソング〜
強引に羽川に連れて行かれたのはカラオケルーム。
羽川の男らしさに惚れ惚れ。しかも滅茶苦茶歌が上手いという。そして、実はカラオケに来たのが初めてらしい笑。全部100点なのですが…。
普通にしようって言ってる時点で普通じゃない事を認めてるようなものだから、というのは本編でも触れられていた話かな。
羽川の三つ編みの断髪ってこのシーンだったのか!しかも、阿良々木は部屋に保管w
〜ひたぎネック〜
ひたぎをファイアーシスターズに紹介しようとする話。
この時は既にデレひたぎなのか笑。こよこよとか語尾がするもんになってたり。文房具を武装することもない。
家族に紹介するという普通の体験がひたぎにとっては嬉しいとのこと。
首を長くして。首を洗って。
〜かれんアームレッグ〜
兄に彼女が出来たことに騒ぎ立てる火憐。
妖怪手長足長の如く暴れ回る様子は圧巻。「性行為だったらあたしにすればいいじゃん!」は中々にホラーな発言ですな。
火憐の歯を磨いていた時には彼女がいたというのは確かにショックなのか…。
〜つきひエターナル〜
兄に彼女が出来たことを知って千枚通しを持ち出す月火。
何時何分何秒何々、地球が何回スピニング?は初めて聞いた。中々キレがある追求が何と朝まで続いたとのこと。
〜しのぶハウス〜
ひたぎと妹らを取り持った後の忍の愚痴の話。
「お前が明日死ぬのなら僕の命は明日まででいい」を擦り始めるの面白い。崖で誰を助けるかの命題で、羽川という最強カードを出した事で忍の怒りも収まったようで安心。
〜つばさボード〜
3001年終局への旅でのインテリについて。
知り過ぎているのは時に却ってマイナスになり得る云々。知らない方が良かったという場面もあるけど、特定の記憶を抹消する事も出来ず。
まぁ、基本的には知識量は武器であって、あり過ぎて困るパターンは往々にして感情的な話が絡む場合だと思いますが。
読売新聞に掲載された短編もあるんですね。
〜まよいキャッスル〜
赤毛のアンと青い城。
余命1年となったらどうするか。普通は、日常生活をかなぐり捨てて非日常の体験を詰め込もうとするのかなと思います。
一方で、阿良々木の答えは案外何もしないのではと。何もしない事が贅沢だから。
自分を目一杯楽しませるのが人生であり、逆に言えば全ての活動を義務によって働かせられているという解釈も出来ると。目から鱗とはこのこと。
f分の1の揺ら木さん。
〜ひたぎコイン〜
ひたぎに嘘をつくコツを教わる話。
数字の書いてある方が表としてのコイントス。硬貨の表裏のどちらにも数字が書いてあるというオチで、要諦はバレても気にしないこととのこと。騙すではなく欺く。
最後にひたぎのデレが入るのも良き。
「ああ、阿良々木くんの家庭環境を鑑みれば、千円札までが小銭かもしれないけれど〜」みたいな細かな会話も面白い。
〜なでこミラー〜
ジキル博士とハイド氏について。
月火に弄ばれる千石。自分にはないものを他者に求めるから凸凹コンビも生まれる。
撫物語に繋がるような話も。
〜しのぶサイエンス〜
わたしはロボットについて。
優秀な部下と、それを支配する愚者という構図になりがち。使う側の人間と高性能な機械という関係にも似ている、みたいな話でした。
〜ひたぎフィギュア〜
ひたぎが勉強を見に部屋にやって来た話。
ねんどろいどのPRだなこれは…笑。地味に斧乃木ちゃんとひたぎの対面も珍しい?
〜ひたぎサラマンダー〜
華氏451度について。
4回も同じ本を異なる時期に読むと感じ方が違う。人によって解釈も違う。そういうのも本の醍醐味だけれども、今語り合える人がいる事もまた大事という所でしょうか。
×酸化ナトリウム ⚪︎サナトリウム
〜ひたぎスローイング〜
中学時代にひたぎが神原を陸上部に勧誘した話。長め。
ひたぎの喋り方って何度も変わってるんだなーと思わされる笑。この時は貴婦人風。
波風立たないようにひたぎが神原に勝負して身を引くんですが、この気遣いによって神原はひたぎの犬になり、ヴァルハラコンビが結成されたらしい。何かこういう設定に絡むような正当な短編は珍しいな。
〜するがパレス〜
くまのプーさんと同著でミステリー調の赤い館の秘密について。
望まれるとやりたくなくなるのか、命令とかある程度指示があった方が良いとか。結局は好き好きに各々銘々にやるのがベストか。
〜よつぎフューチャー〜
ミヒャエル・エンデのモモについて。
子供に読ませても理解が難しい本らしい。まぁこれも人によって感じ方が変わって、何かしらの共感、教訓を得られれば良いのではって感じかな。
読書して何も得られなかった時の虚無感は辛い。
〜おうぎトラベル〜
八十日間世界一周について。
日本が出て来るのが嬉しいという羽川。書を捨てず旅に出よう。
〜するがニート〜
ジャングル国のアリスについて。
たったひとつの冴えたやりかたって本があったのね。どこかで聞いたと思えば、確かにエヴァの仮タイトルか。
誰にも子供時代があり親がいるとか、昔何とも思わなかった本が面白く感じるようになるのは、自分が成長したからか、本が熟成したからかとか。
〜ろうかゴッド〜
貝木と蠟花の会話だと思いますが、あまり理解出来ず…。ひたぎの事を持ち出して、貝木が一杯食わされた感じなんだろうか。レイニーデビルのパーツを回収し始める前の話。
〜しのぶフィギュア〜
グッドスマイルカンパニーのねんどろいどPR第2弾。
忍は分裂も出来たのか…?
別という漢字にロリが入っているとは盲点でした。
〜かれんブラッシング〜
火憐の歯医者ごっこをする阿良々木+忍。
妹を上裸にさせた時点で内容が入ってこない笑。歯を磨いた時のような雰囲気。虫歯ではなく口内炎だった模様。
歯科用語は紛らわしかったり、かっこいい物も多いんだなぁ。
〜つきひブラッシング〜
月火の美容院ごっこをする阿良々木+忍。前の話と似た構成。
うーん、変態プレイである。
〜こよみヒストリー〜
ヒロイン達とのあらすじさん。
〜よつぎストレス〜
忍と触り猫と死体人形。
ストレスを感じないのは死んでいるのと同じ。
〜人として〜
ギロチンカッターと忍。
何とも言えないけど、悪い奴ではなかったという感じかな…。
〜どうかして〜
羽川と忍野メメ。
メメは阿良々木の未来を見通していた?
〜そして〜
ドラマツルギーと阿良々木。
海外で羽川と共闘する機会もあったらしい。ガタイのいい男の「俺の敵を助けることは、俺に敵対することじゃにゃいにゃん」の破壊力。
臥煙さん経由とは言えちゃんと阿良々木は就職を果たしたんだよな。
〜どうして〜
そもそもどうやって心臓を抜いたんだろう?
〜心して〜
吸血鬼ハンター3人の会話。鞘は阿良々木だったか。
〜まよいウェルカム〜
眷属のアセロラ姫に会いに来たスーサイドマスターと八九寺。
まさに忍物語の前日譚。八九寺が本当の事を言ってるのが面白い。昔は良かったで終わらせるのが吉な事もある。
〜よつぎスノードーム〜
阿良々木が斧乃木ちゃんの為にかまくらを作る話。
感情がなくても接待は一応効果あり?
〜おうぎロードムービー〜
扇と映画を観に行く話。
何故かカップルシートで添い寝のような形に。映画も色んな形態がある時代、ルールも多様化していくのか。
〜そだちペナルティ〜
思うようにテストの点が取れずにペナルティで阿良々木と脱出ゲームへ。
友達を作ると人間強度が下がると言う育を窘める阿良々木という場面が訪れるなんて…。私以外に友達のいる友達を友達を呼んでいいのかというのも重い。
ハウマッチでは駄目でオイラーだと食ってかからない育さん可愛い。
〜しのぶトゥナイト〜
ミスタードーナツを買い揃えて忍に渡す話。
阿良々木のアメリカ出張に道連れになる忍への気遣いだったものの、杞憂だったらしい。そんな殊勝な様子をみれば、あのセリフをまた言いたくなるのは必然。
〜なでこパスト〜
UNDEAD用書き下ろし。
過去の自分と今の成長と恒常性との乖離。と言っても、俯瞰して見れば、変わったようで変わっていないのかも知れないみたいな。第一印象の強烈さの問題もあり。
〜しのぶフューチャー〜
UNDEAD用書き下ろし②。
結局、忍が斧乃木ちゃんと下らない話を出来るほど穏やかになったという話だと思うのですが。
語られているのは、ジャンル分けとかソフィスティケートされていく事で、色々と陳腐になっていくみたいな話でしたが、自分の気の持ちようとか捉え方とか自分磨き次第って感じかな。
今回のbest words
こんなグッズが市販されていたら購入せざるを得ないぜ……、僕はグッドスマイルでそう言った (p.143 阿良々木)
あとがき
まえがきで触れられていたファミリーシーズン第2弾とされる接物語も楽しみ!