心和のラノベ感想

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悪魔のミカタ⑤ グレイテストオリオン 感想

悪魔のミカタ⑤ グレイテストオリオン


今回は、悪魔のミカタ5巻です。

400頁越えということでギョッとしたものの、とても面白かったです。ページ数増えて逆に理解しやすくなったのか…?

1巻の後日譚としては見事な展開でした。

あらすじ

夢から覚めた綾は左手に腕輪が付いていることに気付く。心当たりのない綾だったが、アトリによると、一桁ナンバーで所有者の望むままに肉体を変化させる《グレイテストオリオン》に加えて《元・知恵の実》の《レフトアーム・スピーキング》の力が働いているという。

ひょんならことから高虎という男と綾を巡って4週間後にボクシングで決着を付けることとなったコウ。《悪魔の実》で増強されていると見られる高虎との決死の戦いが始まる。

感想

面白かったです。4巻までは全然だったのにここで急に内容が分かりやすくなって、しかもその内容も良かった。大体で言うと、序盤は綾の身に起きる異変が描かれて、中盤〜終盤は男と男の熱い戦いでした。

元々、真嶋綾というキャラクターは1巻で役目を終えたのかなと薄々思っていました。舞原姉妹や小鳥遊みたいに特異なものを持ってるでもなく。まぁ、教師に脅され処女でないことを学校中に宣言してると言えばしてますが。

ただ、今回は圧倒的に綾がメインだったし、日奈の容姿に似ていることでモヤモヤしていたこれまでを踏襲した、1巻からの決着を付ける回だったなと。助けて欲しいなんて思ってなかったとか、自分のせいで日奈が死に好きなコウを悪魔のミカタとしてしまった負い目もある訳で…。恋する巨乳ヒロイン(かわいい)。

序盤はシンプルに面白くて、綾の体が変容していく中でお母さんの体になったり、男になってしまったり。母の大変さを感じましたし、高久の人間の妊娠期間の長さは慣れの為といえのにもなるほどなと思ったりしました。《レフトアーム=スピーキング》の空気読めなさも良かったですね笑。

そして、がっつりページが割かれていたのがコウと高虎穂浪とのボクシング対決で。これまでいけ好かないコウが今回は格好良かったですね。イハナのサポートやアシストがあったとは言え、同じ土俵で正々堂々戦う姿は痛ましいながらも強かった。日奈を好きだった高虎の、日奈を死なせたというコウへの非難もまた胸に刺さる。

そして、何と言ってもグレイテストオリオンという《悪魔の実》は、綾が魂を売る代わりに日奈へと体を変える伏線だと気付いた時には良くできてるなと。それでも、コウにとっての第一目標の日奈復活を蹴ったというのは、予想できるとは言え…これが主人公だよね。

そう言えば部長活躍してたなぁ。何だかんだ悪役だった高久も綾の意思に影響を与えたと思うと救いはあるというか。

三浦が今回1番の被害者!笑

今回のbest words

あ、綾さんなんか嫌いです!いけず!このゲメンニョボサツナイシンニョヤシャ! (p.377 アトリ)

あとがき

『夕日を連れた男』と連れの女の目的はまだまだ謎だなー。コウに試練を与えてそれを見て楽しんでいるというか。

帯に右腕って書いてあるけど、《レフトアーム・スピーキング》だから左腕よなぁ…