心和のラノベ感想

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妹さえいればいい。9 感想

妹さえいればいい。9


今回は、妹さえ9巻です。

表紙の通り、伊月をお兄ちゃんと呼ぶようなキャラが2人登場(左の青葉は既存キャラだけど心機一転)し、モヤモヤを溜め込んでジト目の千尋という構図でした。多少のシリアスさもありつつ、遂に……。

感想

まずは、新キャラの木曽撫子。新人賞を受賞したあの木曽義弘の孫として登場。木曽さんに物語上こんなポテンシャルがあったとは。伊月が、木曽さんに対してお堅い挨拶をしようとして日本語がおかしくなってるところは面白かったですね。

撫子に対して、小学生って最高だな…というセリフも出るほど伊月も溺愛。ちょっと、ロウきゅーぶ!読みたくなりました。あと、『ねことねずみの大レース』は、リスクと安全のトレードオフという感じのボドゲで楽しそうですねー。

そして、青葉の方は、可児那由多の劣化コピーという前評判を信じずに出版した結果、案の定叩かれて自分の行く先を見失いかける。そこで、伊月も過去の自分の経験を元に啓蒙すると、ツンケンしていた今までから一転、伊月をお兄ちゃん呼びするように。この変わりようにはびっくりしましたねー。しかも、千尋に代わって伊月に料理をするように。

一方の千尋は、どんどん自分のアイデンティティが失われていく展開。後述の理由から、伊月の部屋に通いづらくなって、自分の成績の悪化や将来やりたいことのない不安、青葉の存在、再婚した両親の子供の予感。

千尋とぷりけつの再会もありましたが、関係性は安定してきた感じ。地の文でパブロって出るのは何か笑ってしまう。千尋の中で、刹那を怪しい人から伊月のイラストレーターと更新出来たのは大きいものの、刹那経由で妹バレを防ぐために、伊月の部屋に通うことが出来なくなるっていうのは、よくできた流れでした。

そして、最後に爆発したのがTRPG千尋の活躍もあってデスマスクを倒すという内容でしたが、確かにこのファンタジー世界では、仮の姿とは言え千尋は妹を演じることが出来ていたんだよなぁ。色々な事が積み重なっての、千尋の弟ではなく妹だという告白によって、伊月の創作を始めとして、このメンバー間でどういった影響があるのか、次回以降恐ろしいようで楽しみな部分です。

伊月のアニメの件も進展があって、製作陣の1人が逃亡して11話にまとめ直すというトラブルもありつつ、1話の白箱が完成。最高の出来とは言えないまでも、自分の作品がこうして多くの人の手によって1つのものが出来た感動を元に、また作者としてもブラッシュアップしていきそうな感じ。テレビの禁止用語についても実話っぽいね。

千尋の進路もそうですが、京の就活についても描かれてました。自分のやりたい事を探したり、良い会社を選ぶのは大変だよなぁ…と改めて。土岐のヒモ生活からのアルバイトを経ての現在から、きっかけはそんなに大事ではないとか、新人賞の神坂蒼真が1巻打ち切りで、他出版社に作品を持ち込んだことで、追放されたことを受けて、作家と一緒に泣くことのできる編集者を目指すように。春斗の件もありましたし。

今回のbest words

渡航。それが俺のペンネームなんだ (p.92 羽島伊月)

エロマンガ先生でも、草薙先輩が幼女に対してペンネームを詐称してましたね笑。ペンネームの由来も含めて良き。

あとがき

遂に、シリーズ最大の爆弾が投下されました。全キャラ幸せになって欲しいですが…。

地味に海津さんとアシュリーが結ばれそうな予感もありますね……。