心和のラノベ感想

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妹さえいればいい。11 感想

妹さえいればいい。11


今回は、妹さえ11巻です。

スランプに陥った伊月がどう復活していくかという展開だったんですが、中々にシリアスでした…。

感想

小説が書けなくなった伊月は、カニ公と鎌倉へ旅行に行ったり、妹萌え以外の小説に取り組むものの成果は上がらず。そして、周りを見つめていくうちに自分が主人公で無くても回っていく事に気付いて、小説自体は書けるように。

ただ、ここで満足するようではカニ公ではないよなと。213ページ〜は不安な気持ちで読んでました。そして出来上がった小説は、伊月らしくない計算されたもので、元からあった伊月の才能を潰すもので。これを発端に、那由多と喧嘩してしまい、別れを切り出す始末。これまで、仲良すぎる余り喧嘩らしい喧嘩もなかったように思いますが、遂にここで…。

前にも言及した気がしますが、万人受けと少数に猛烈に刺さる作品のどっちが良いのかという議論に近いのかなーと。まあ、最近の伊月は尖りつつファンを増やしかけていたようにも思いますが。海津さんみたいに、そこそこのものを安定して出すのが向いている人もいますし、作者自身のベースとなるものは崩さずに色々広げていければ良いんでしょうが…。

そして、千尋ですがやはり春斗に恋していたようです。初がヒロインレースから脱落して、チャンスはあるかと思いましたが、あえなく撃沈。厨二堕ちする千尋は面白かったですね…。告白を決めてすぐ告白シーンの挿絵が来て、ごめんねからの暗転という構成はラノベとしては斬新でした。

ただ、この件をきっかけに伊月は実家に戻って、父とも飲み明かすくらいに打ち解けて、千尋の家族願望は叶ったのかなーと。怪我の功名とも言えなくもない。多分ここでの両親のドラマチックな恋愛も伊月き影響を与えているんだろうなぁ。

1番面白かったのは、木曽さんの新作の帯に入れる宣伝文句を考えていくシーン。エロマンガ先生やら、はがないの確かあんそろじーとかでも、こういう挿絵の入れ方があった気がするけど、どんどん発想がエスカレートしていくケンケンが良かったですね笑。

個人的には、帯にはアニメ化!みたいに書かれるよりは、その巻の内容に言及する文言の方が好きかなー。今巻の帯は大分雑ですけどね笑。

あとは、この11巻と同時発売の特装版の『妹が多すぎる。』というゲームを、小説内でやるシーンも。元ネタは『シンデレラが多すぎる』というゲームらしいですが、ボドゲは基本実際にやってみないとルールを掴めないからなぁ…。

それから、三田洞彩音さんが再登場すると共に、京の出版社の先輩社員であることも判明。このシーンから、伊月の成長を感じると共に、今後も絡みがあるんだなと。初と京も伏線っぽかったので、ブランチヒルには期待。

今回のbest words

…………もうなにもしんじられないです……おとなはみんなうそばっかり……せいしゅんとはうそであり、あくである………… (p.84 木曽撫子)

↑堕天した撫子ちゃんの台詞ですが、このセリフ俺ガイルの序文の引用でもあるよね笑。

あとがき

伊月と那由多の喧嘩がここにきて勃発してしまいましたか…。喧嘩を乗り越えて、固い絆で結ばれて欲しいものですね。

あとは、何が伊月を復活させるのかも楽しみです。