魔法科高校の劣等生23 孤立編 感想

魔法科高校の劣等生23


今回は、劣等生23巻です。

不穏なサブタイトルで、実際に達也の立場が危うくなっていくという展開でした。しかし、最後に救いはありましたよと。

あらすじ

前回の「シンクロライナー・フュージョン」に続いて、アフリカ大陸でも戦略級魔法「霹靂塔」が使われたというニュースが流れる。

そして、その流れの中で使われた「アクティブ・エアー・マイン」は、達也が作った魔法であった。その影響が引き金となり、当年の九校戦は中止という事態にまで発展してしまう。

そんな最中、エドワード・クラークにより、『ティオーネー計画』が発表される。それは、魔法技術を用いて、金星への移住計画を目標としたものであった。この計画には、マクロードやベゾブラゾフの他に、トーラス・シルバーの招集も含まれていた。

反魔法運動への対抗として、達也に参加を呼びかける克人と、それを断固拒否する達也の間に武力衝突が起き…。

感想

達也の人権、意思も尊重してあげて…というのが今巻を読んでいて終始思ったことです。力があるものがそれを生かす事が正義という主張もありますが、自己犠牲を強いるのは違うよなと。

ティオーネー計画についても、実現すれば魔法師のお陰で人類の進歩に繋がるので、反魔法運動を鎮圧するには手っ取り早いと言えますが、確かに裏側は強力な魔法師の地球外追放みたいなものがありそうです。

今回、達也は孤立への道筋が役満という感じで、先日の二十八家会議に始まり、国防軍情報部には目をつけられて、トーラス・シルバーである事がほぼバレて、作った魔法が悪用されて、十師族の克人とも対立して…。

深雪が言うように、達也のお陰で敵国の謀略を退けたり、九校戦で活躍したり諸々善を積んできたのに、酷い仕打ちですね。

ただ、最後に救いがあって、それはエリカやレオ等の一校の友人達という。達也を孤立させんとする友人達の言動には、読者としても嬉しいものがありました。前に達也らが四葉家と知った時の出来事も響いているかも知れません。

そして、克人と達也の対決が遂にやって来ましたね。克人の強さが誇示されたものの、結果としては、リーナのブリオネイクを参考にして作った「バリアン・ランス」が決め手となって、達也の勝利で終わりました。

シンプルに分解だけだったら、勝てなかったと思うと、色々な伏線が役に立ってるんだなと感じます。そういや、戦いの前に誓約を解除した恩恵ってあったのかな…?

あとは、レイモンドですね。七賢人の彼も表舞台に上ってくるのでしょうか。クラークという名前は、エドワードと通じるものがありますし。

因みに、エシェロンⅢは全地球通信傍受システムで、フリズスキャルヴはそのハッキングシステムの事なんですね、少し分かりづらいですが。

それから、魔法師が道具となる事を嫌悪する達也ですが、リーナが任務中にそういう魔法機械を目撃したのと、達也の正体を知ってしまった事でどう心が動いていくのかも注目です。達也の味方になってくれそうな予感はありますが…。

あとがき

ラスボスが誰だかは分かりませんが、深雪以外は誰でも敵になり得ると考えなきゃいけないのかなーとも思いつつ。世界?本国?四葉家?

ティオーネー計画の参加を断る達也が、世界的にどう映るのか、誰が味方になって敵と戦うのか、楽しみです。

2022.7.7