心和のラノベ感想

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魔法科高校の劣等生24 エスケープ編〈上〉感想

魔法科高校の劣等生24


今回は、劣等生24巻です。

エスケープ編という事で、前回の孤立編からの達也と深雪の逃避行…という展開ではなくて(笑)、ディオーネー計画に対する抜け穴を提示する、みたいな話でした。

事態は刻一刻と進行して、ハラハラ感がとてもあって面白かったですね。

あらすじ

トーラス・シルバーが司波達也であると、レイモンドによって公開され進退窮まった達也は、世間に向けてESCAPES計画なる、魔法を利用したエネルギー供給プロジェクトを公表する。

ディオーネー計画に比べて現実的なESCAPS計画は他国にも受け入れられ始めた一方で、危機感を感じるUSNA及びソ連は、ベゾブラゾフのトゥマーン・ボンバによる攻撃を達也に仕掛けるのだった。

感想

ディオーネー計画に参加すれば、地球から追放されて孤立、参加しない場合も、人類の進歩への背信行為として孤立という絶体絶命の中で、代替案を提示するというのは、今までに準備していないと出来ない事だなぁと思います。

論文コンペや、議員を退けるために行なった実験もここに帰結していたと思うと感慨深いです。そしてまた、この計画が達也の理念である、魔法師を道具として利用させないという目標に適っているという。

会見の場やレイモンドとの対談で、達也が言うトーラス・シルバーは複数人いるからとか、自分を名指ししていないとかの屁理屈で躱すシーンも面白かったです。確かに正論なんですけどね笑。

この計画に当たっては、達也は青波と話し合い、戦略級魔法の抑止力と引き換えに、同意を得たのに加えて、資金的にも雫の父の協力を得ていました。八雲と青波の関係性は引き続き気になる所です。

それから、十三束が結果的に水波に決闘を申し込むシーンもありましたが、これはラストの水波の喪失感?を強調させる効果もあったのかなと思います。

上と下からの圧力の板挟みにあった十三束母は本当に可哀想ですけどね…。

あとは、USNAのESCAPES計画妨害の動きも次回の伏線になりそうです。リーナとカノープスは作戦に参加しなさそう(反対派)なのは救いでしょうか。

そして、何と言っても光宣の動向が今後の懸念点ですね。味方になるのか敵になるのか…。前に、真夜が十文字家と九島家が厄介みたいな話をしてましたし。

今回で、光宣は周公瑾の亡霊を身に宿し、またパラサイトも取り込むことで、虚弱体質の克服に踏み切りました。今までの心情的には達也の役に立ってくれそうな気はしていますが、暴発しなければ…といいう感じですかね。

トゥマーン・ボンバの発動強化の話は、非人道的で胸糞悪い内容でした…。魔法師もある意味で本人の意思に反して被害者であって、自由を束縛されてる面もあるんだなーと思いました。

深雪と達也の入浴シーンの口絵は素晴らしい…!

あとがき

水波の容態がどうなるか…が心配なところです。穂波と同じ過去を辿ってしまうのか、達也の再生が効くのか。個人的には、光宣君に何とかして欲しいところですが…。

作者あとがきで、この編の上下巻は一体性が強いエピソードという事で楽しみです。ディオーネー計画頓挫まで話が進むかな?

2022.7.9