今回は、創約とある10巻です。
まじで上条死にましたし。それでも、全体的に見れば必要な死という感じで、ちゃんと復活のチャンスがありそうなのが救いか。
あらすじ
瀕死のCRCにトドメを刺したのはアリスであった。その姿を目撃したオティヌスは、禁書目録を囮に上条の元へと走る(スフィンクスに跨って)。
アリスに当てられた群衆は、劇症型コタツシンドロームを拗らせ暴徒と化す。それは、上条派とアリス派で分断された超絶者たちの睨み合いにも波及していた。
感想
上条当麻の死亡。
今までも何回も死線を潜り抜け、何なら死んだ事もあったような気はしますが笑、前のめりに事実として提示されたのは初めてかも。
前回の終わり方的に、強大な力を持っているのはアリスだと分かります。とは言っても、アリスの精神年齢は少女相応であり、上条を信奉しているのは明らかだったので、何が上条に死を齎すのかが、読む前までの疑問でした。
結果から言えば、それはアリスなのですが。というのも、上条の死という運命は前から決まっていた事だったから。思い返せば、創約5巻、つまり上条とアリスの初対面で、アリスによる都合の良い事象改変を、上条は否定していました。
その歪みこそが、上条の死を既定路線へと導いてしまったらしく。上条を死なせたくないアリスは、上条を思って禁書目録に頼る等のアクションを起こすものの実らず、それ故に世界を変えてしまってでも上条を助けようとしてしまうのを、上条自身はその業を受け入れて、それに抗って戦闘になるって感じかな。
元々、禁書目録を人質にされ、高校の教室に殴り込みに行く流れが、実はアリスは全然そんな事なく悪役でもなかったというシュールさがありつつも、でも戦闘になってしまうというのが何とも噛み合わないというか、悲しい戦いというか。
アリスの能力としては、物語に記載があれば何でも行使可能、というレベルではなかったよう?ですが、1回に1個だけとは言え基本思った通りの事が出来ていて、まぁ規格外でした。
神装を纏い神の力を借り、それぞれ救済条件を設定する超絶者というのも、本流がアリスにあって、それ故に上条勢力に対立する超絶者らも出てきました(花束のブロダイウェズ、ヴィダートリ、2ndサーガ等)。
でしたが、自己保身という目的が透けて見えた為に敗北。トリスメギストスだけは、最後までアリスの事を想い、想うからこそ上条に力を貸すという紳士さが見えて良かったです。ムト=テーベは賑やかし担当でしたが笑。
あとは、前回強かった敵よりさらに強敵が出てくる感じや、死に物狂いで救ったキャラクターが強力な味方になる流れは、禁書らしかったですね〜。
アンナ=シュプレンゲルも、キングスフォードと邂逅し、真似ただけの存在である事を嫌悪しながらも、結果言い包められ、アリスと対等に近い超絶者として上条に協力する立場となってたのが良かったです。
アリスとの戦闘で、立ったまま亡くなった上条さんでした(かっこいい)が、白き世界でキングスフォードと対面。コンティニューはあるのか?!
今回のbest words
……一月六日、午後十一時五十八分 (p.325 冥土帰し)
あとがき
主人公が死ぬというと、物語シリーズでも地獄に落ちて、蜘蛛の糸が〜みたいな話があった気がしますね。ここで歩みを止める筈がないと思うので、復活に期待です。
死ぬのが運命で決定事項なら、一度死んで生き返れば良いとは流石の理不尽さ。上条の心残り、成し遂げたい事とは。