今回は、キグナスの乙女たち3巻です。
事件が起きそうで起きないという何ともちぐはぐな雰囲気は、作者の言う迷走なのかなぁという気がします。魔法科の世界観で穏やかな高校生活が見られる時点で差別化は出来てるとは言え、テーマがぼんやりしているのは否めないか。
あらすじ
クラウド・ボールが九校戦の競技に選ばれた事で、アリサは新人戦の選手として名前が挙がる。一方、マーシャル・マジック・アーツの三校との交流試合が決まり、一条茜との戦いを見据え、茉莉花はやる気に満ちていた。
2年F組の松崎秋湖に火狩との仲を問われるアリサ。何でも、魔法科高校では将来が有望な学生に声を掛ける、言わば青田買いが横行しているらしく…。
感想
今回の内容としては、青田買いの件、アリサの母の友人の軽部裕利の葬式にやって来た茉莉花の両親、茉莉花vs一条茜が主でした。
青田買いの件は、なるほどなぁと思いました。これは魔法社会だけにあらず、良い職業に就きそうな人を予め囲っておくという、効率的だけれども嫌悪感もあるような話ですね。
ただ、アリサには恋愛が進みそうな雰囲気は無いので、あまり周りを刺激しないように行動しようと心掛けたくらいでした。因みに、唐橘とはその件で喧嘩して仲直りしてました。
軽部さんの件については、亡命の手助けをした事が今後問題にならなければ良いけど…というのと、子供?の軽部絢奈が債権を抱えた祖父の会社を巡って、悪い方向に沈んで行きそうなのがまた火種としてありました。誘酔がまたそれに絡んでくるか。
レイラが拳法から見抜いた門馬俊一も怪しかったです。
三校との交流戦については、少し後味の悪い結果で終わりました。というのも、ちゃんと茉莉花と茜の対戦は叶ったものの、茜の使う電磁波をいなしながら、意外と優勢な茉莉花が最終的に、茜の相手の体液に作用するグレーな魔法を使った為。
ルール上は問題ないとされていましたが、あれが罷り通るルールも大丈夫か?という気もしました。ただ、茉莉花自身は今後も茜をライバルとして頑張っていく意欲を見せていました。
筆者曰く、最初は茉莉花が負ける展開でスポ根を予想していたらしく、話の中でキャラクターが勝手に動いたのかなという感じですね。
水面下で悪事が進行しそうな一方で、表面化する事なく乙女たちはのんびり勉学、恋愛をしていくというストーリーもある意味ありかも?
今回のbest words
もしかして嫉妬してくれた? (p.77 茉莉花)
あとがき
次回は九校戦になるでしょうか。
誘酔が四葉家の魔法だけ網羅してないの笑える。