今回は、劣等生SSです。
13巻のスティープルチェース編の舞台裏というか、寧ろ表舞台?の短編5本が収録。5つ目の薔薇の誘惑のみ書き下ろしらしいです。
感想
【〜竜神の虜〜】
かつて神童と呼ばれた幹比古のスランプに至る原因となった事件が語られた話。
吉田家で行われていた「星降ろしの儀」は、優れた技を示せば家督相続に繋がる重要な競技会。そこで、幹比古は竜神を降ろそうとして、調子を崩すこととなったけど、実は自分の伎倆を超えた力を求められて無茶をしていただけと分かると。
スランプに陥った理由は初出で、幹比古が初めて出て来た時もそういえばスランプ気味だったんだよなと。今となっては一科に転身して、風紀委員長とは大出世というか元々のポテンシャルは高かった事が分かりますね。
地味に、吉田家が竜神を求めるようになった経緯の話も面白かったです。美月が竜神を降ろすキーにもなってくる訳ですね。
【〜ショットガン!〜】
新種目ロアー・アンド・ガンナーのエイミィと国東久美子ペアのお話。
競技前の作戦打ち合わせから、本場での勇姿までが描かれていて、達也が大活躍でした。
そういえば、この時の会長ってあずさだったなと思い出しました笑。今でこそ深雪で定着してしまっていますが。
達也が仕組んだここでのインビジブル・ブリットの改良版が後々の吉祥寺の競技成績を狂わせたとか狂わせなかったとか…というのも面白い。
クーちゃんあーちゃん。
【〜一人でできるのに〜】
雫と花音のピラーズ・ブレイクの戦いの模様を描いた話。
劣等生シリーズを読んでいて花音を好きな人っているんでしょうか…。前回の師族会議編での八つ当たりとか、今回の子供っぽく怒って啓に愚痴るところとか…。
ペアとしての戦い方、ペアとの相性も考えながら達也が作戦を立案、最終的にまたしても作戦負けしてしまうジョージ…可哀想。笑
【〜目立とうミッション〜】
四校の文弥と亜弥子が、真夜の九校戦で目立つ活躍をするようにという指示で、右往左往する話。
黒羽という名字から、四葉の縁者ではとの噂が蔓延する中で、司波兄妹の注目を分散させる為の、目立とうミッションだった訳ですが、もっと深い所では黒羽家の諜報活動の抑制もあった?ようです。
しっかり黒羽姉弟は、九校戦で大活躍。達也も敢えて捨て駒を利用しつつ、一校有利に選手の配置をしていたみたいですが、それに気づいた七草姉妹の記憶に干渉したのは一体誰の魔法なのか…。
【〜薔薇の誘惑〜】
ドイツの魔法工学製品のトップメーカー、ローゼン・マギクラフト社の日本支社長エルンストがレオとエリカに接触を図る話。
確かに本編でも、レオがエルンストといるシーンがあったので、そこを今回補完してくれました。また、レオの調整体のルーツについても明らかになって良かったです。
そして、何と言ってもレオとエリカのカップリングが相性的にも歴史的にも後押しをするものだと判明する話でもありました。
というのも、ローゼン家の作った調整体の第一型式を引き継ぐレオと、ローゼン家当主の弟の孫のエリカ。何の因果かって感じです。
母体は直接的笑。
あとがき
本当は表の話の筈ですが、2年次の九校戦編はパラサイドールがメインなのでやっぱり裏話かな。
それでも、シールド・ダウンとか、スティープルチェース本戦の詳しい話は出てきてないですね。
吉祥寺の輝ける話も見たい…笑。
そういえば、表紙のエリカの絵があんまり好きくないんよなぁ。作画崩壊アニメの絵に近しい気がして…。
2022.6.24