心和のラノベ感想

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神無き世界の英雄伝2 感想

神無き世界の英雄伝2 2007.10

 

今回は、神無き世界の英雄伝2巻です。

面白くなってきました。〜星系とか円錐陣形とか立方陣形とか詳しい部分は理解し切れてないものの、高周波対艦刀や戦術的な手に汗握る戦闘シーン、天才への畏怖、家督争い等々…。

あらすじ

銀河系三大勢力の人民共和国、銀河連合、中立宗教国ノウスベルン。共和国内での独立戦争で若き司令官2人の活躍が光ったリュンクスの決戦。喜びも束の間、アレティーノを失った共和国を攻めるのは、禿頭の軍神マスターズ率いる銀河連合であった。

苦肉の策として、企業連盟は共和国と同盟の手を打ち、銀河連合との戦闘へと向かう。後にビソン会戦と呼ばれるこの戦いは、数的不利により共和国の撤退という形で幕を閉じるのだが、ロイとレンの働きは賞賛に値するものであった。

感想

冒頭に神について多少触れていて、この作品のタイトルは、宇宙に進出してさえも思い通りにいく訳ではなく、戦争も絶えないという意味合いがあるのかなと思いました。神には祈らない。英雄伝というのは、ロイと特にレンの事を指しているのかなと。

今回の話は、前回までの共和国vs反乱分子という構図から飛躍して、もう一つの大きな勢力からの侵攻となりました。よって、企業連盟は直前に戦っていた共和国と手を組んでこれに当たるという流れに。

ここで何とも悲しいのが、マスターズは戦争の少ない世界を望んでいること。平和を願う行為が戦争に繋がるというのが、人間の虚しい所なのではと思う。でも、戦争のない世界ではなく、戦争の少ない世界を望むというのも、ベテランらしい帰着点だとも感じる。

この戦争では、共和国の被った打撃の方が多かったものの、メトロゲートの破壊や上手く逃げ切って兵を残存できた点において、先に繋がる負けとは言い切れない負けだったようです。アレティーノを散華させたのはまぐれではないと。

今回の1番の面白い所は、ネリーとレンのやり取りですね。萌え要素が無いと前回述べたものの(電子妖精には触れられないのだから仕方ない)、ネリーの誕生日を祝うシーンも、銃の撃ち方を教えるシーンでドギマギするレンも良かった。

レンが誕生日ケーキを作ってくるシーンは、前回の合格点が貰えなかったリベンジというのが良いですよね。こういうのは大好き。そもそもレンはいつネリーの誕生日を知ったんだろうな…? 好意を寄せてるようにも思えてくる。

レンの普段の抜けた感じの一方で、戦場での的確な指示は天才的。オフィーリア以外のネリー始め他の参謀が全く付いていけない戦術で難局を乗り越える姿は、近くにいた者ほど畏怖を抱かせてました。この天才と凡人というテーマは、さくら荘でも触れられてましたね。

次回の戦場が、レンの蒸発した母らがいる場所っぽいのも波乱の予感がします。また、宇宙線障害というレンの病気も気になるところです。確かに、何回か顔が青くなるみたいな病者あったよなぁ。

レンに関しても、人心掌握やら素質は天稟に恵まれていて。英雄に祭り上げられる世相もあって、クローバー家の序列も11位から3位まで急上昇。とは言え、1位に返り咲いたグスターヴは、過去にロイを殺害しようと目論んだこともあり、汚い手を使っていそうで、ドロドロしてますね…。

今回のbest words

合格点を六〇点とするなら、八〇点といったところですね (p.75 ネリー)

あとがき

ロイとレンの正反対だけど天才同士、見ているのが楽しくなってきました。かたやパンの耳ですよ笑。

3巻で終わる気がしないー。キャラの相関図とかあれば、もっと楽しめそう。シリングとか。