継母の連れ子が元カノだった9 プロポーズじゃ物足りない 感想

継母の連れ子が元カノだった9


今回は、連れカノ9巻です。

結女父の登場と、水斗の迷いと決断と。選ばれたのは…

あらすじ

凪虎さんの頼みでいさなの家庭教師となった水斗。それに託つける形で、いさなのイラストレーターとしての才能のプロデュースもしていく。

結女の頼みで結女の父(慶光院涼成)と会った水斗は、自分にとって何が1番大事かという体験談を聞き、己の処遇について懊悩する。いさなの才能に惚れ込んだ水斗に対して、結女は…。

感想

結女パパが登場しました。とらドラ!の大河父のようなクズさはなかったんですが、家庭よりも仕事を優先して離婚したパターンだと判明。悪い人ではないんだろうけど、結婚までしたのに、家庭を顧みなかったのは無責任だなとも思います。自分にとっての譲れないものがあるなら、もっと早くそれに気付くべきだったと(この人の場合は、インディーズゲームのプロデューサー系のものみたいです)。

そして、面白いのが正に水斗が涼成と似た問題を抱えていたこと。いさなのプロデュースと結女との恋愛。いさなの天稟に惚れ込んだ水斗は結女を蔑ろにしてしまうと。ただ、ここで重要なのは、結女と天秤に乗せられているのはいさな本人ではなく、才能なんですよね。

だから結局、人としての結女が選ばれてしまったのかなーと。体を武器にする負けインムーブかましてたのに、これはもうメインヒロインの特権ですわ。いさなの才能と自分を比べて打ち拉がれながらも、努力であったり過程であったりの"尊敬"という概念の勝利。

にしても、ここまでいさながイラストレーターの才覚を出してくるとはって感じですね。元々普通に甘んじて悩んでた訳ですし。安芸倫也も結局は加藤恵を選ぶみたいな結末かなー。才能よりも身近で支え続けたヒロインが勝つような。

それから、愛沙さん一線越えてたーっ!主人公カップルより先に経験するとか、超特急と鈍行の違いだ…。

今回のbest words

私と、一緒にいてくれないと……やだ (p.89 伊理戸結女)

あとがき

最終巻っぽいけれど、後日談が入るようです。ヒロインと結ばれてハッピーエンドってだけではなくて、事後処理というかしっかり見届けさせてくれると。

9巻は2ヶ月前の刊行で今現在の最新刊ということで、遂に追いつきました。ライトノベルらしい作品だとは思いますが、個人的には軽すぎて没入はそんなに出来なかったなー。