
今回は、リゼロExです。
スバルが異世界転生する前のフェリスとクルシュのお話。この2人を語るには、フーリエの存在が欠かせない。口絵のウェディングはifかよぉ…。かよぉ…。
もちろん本編の方がより面白さはあるのですが、一方で限られた要素でしっかり1冊ストーリーを仕上げる長月さん、流石のストーリテラーだと言わざるを得ない。
あらすじ
フーリエ・ルグニカは親竜王国ルグニカの第4王子だった。城の庭園で見かけた緑の髪の少女に一目惚れし、来る日も来る日もその少女の姿を探していた。
獅子の家紋を持つカルステン家のクルシュは剣が得意な男勝りな少女だった。クルシュにドレスを着せたいクルシュの父メッカート。それに同調するフーリエは思い違いも含めて、クルシュに剣の勝負を仕掛けるが…。
感想
王戦参加前のクルシュとフェリスの過去が分かる一冊でした。
クルシュにとっての獅子王とならんとしたフーリエの志半ばな夢を受け継ぐ2人。スバル以外にもきちんとした経緯があるんだよな…。これはこれで応援したくなっちゃう。
フーリエに関しては、本編で王族が全員病気で亡くなったという記述があったので、その運命からは避けられないものの、馬鹿っぽいような御し易さもありながら、時に鋭く優しさに溢れた良いキャラクターでした。
クルシュに一目惚れしたフーリエは、フェリスをクルシュの騎士に任命しつつ、それでも剣が強い訳でないフェリスの自己嫌悪なんかもありながら、それでも3人仲睦まじく過ごしていたのは微笑ましかったです。
だからこそ、フーリエを始めとした王家が崩御して、その中で賢人達が憂慮したのが竜の怒りを買うかどうかみたいな話で、かねてから獅子王への崇敬もありましたが、それがあっての王戦での演説に繋がったんだなぁと思いました。
と言いつつ、徽章がクルシュを選ぶのだから面白い。選ばない訳にはいかないけれど。
因みに、フェリスが女装し始めた理由は謎だったのですが、出自は明かされました。いや女装は自ら進んでやってるっぽかったかな…。
人の親から生まれながら、先祖帰りで亜人の特徴が出たフェリスは親から地下に監禁され、それが故にカルステン家が救出したという流れだったらしい。
そこからの付き合いだから、フェリスとクルシュの付き合い歴は長い。
ただ、その時の仕打ちが祟ってかフェリスは華奢に育ち、騎士としての屈強な体付きにはならなかったという因果関係があるという事で、親の罪は深い。フェリスに治療の才があって良かった。
その親は今回の事件で死亡した為、フェリスにとっての頼れる人はクルシュだけになったという側面もあるんですね〜。
この事件について、ヴァラキア帝国の奴隷商マイルズがスパイとして裏に噛んでいたという展開が面白かったです。
フェリスの父ビーンが家に伝わる『不死王の秘蹟』という死者を使役する(所謂ゾンビ化)術を未完成ながら使うのですが、それを狙っていたという。
ビーン自体は自分で殺した?妻を生き返らせたかったようで、その気持ちを恐らく利用された形。しかも、ビーンはフェリスが一瞬蘇らせたその女性に殺されて心中みたいな儚い終わりでした…。
実際のところはこの妻は愛人で、女給こそフェリスの本当の母っぽかったですが真相は闇の中。
最終的には、陰ながらラインハルトが事後処理してくれていたので、術の流出は心配しなくて良さそうでした。
それからユリウスも出番があって、もちろんクルシュやフェリスとも面識がある訳で、アナスタシアの騎士になるまでに何があったのかも気になる所。
そう言えば、フーリエのお見合い相手として出てきたティリエナさんでっっっっかかった。
全く関係ないけど、クルシュに苦しゅうないって言って欲しい。言わなそうだが笑。
今回のbest words
そなたを妃に迎え、フェリスを余らの騎士にする。すると、どうだ。なんと余ら三人はずっと、一緒にいられる。これは、恐るべき幸福よ。どうだ? (p.276 フーリエ)
あとがき
出されたお茶を警戒していたら、周囲に充満させた毒の解毒がお茶に含まれていて、逆に飲まない方がやられるパターン初めて見た笑。
そう言えば、風を読めるクルシュは人の嘘もほぼ見抜けるのずるいなぁ。しかも大兎を『百人一太刀』で切ったらしい。増殖しなかったのかしら。