わたしで童貞捨てたくせに 感想 ★★

2026.4

今回は、『わたしで童貞捨てたくせに』です。

中々に強烈なタイトルで、読む前に受けたイメージは、ヒロインが揶揄って言ってるだけなのか、本当にシたのかどっちなんだいと思ってたら、実際に後者だったらしい。

地の文でサラッと"童貞と処女を交換して以来"とか出てきてビビりました笑。えぇ…、それもっと掘り下げるべき所なんじゃないの…??

何かアフターラブコメとか言われてますけど、主人公の言動が気持ち悪くて生理的に無理ですごめんなさい。

あらすじ

幼馴染の宮町宏太と宝仙寺咲良は一度付き合って、男女の関係にもなったものの、それ以上に進行はせず別れた。しかし、高校2年生となった2人の距離は他人から見れば付き合っている風にしか見えない関係が続いていた。

生徒会庶務の咲良を手伝う宏太は、1年の間でトラブルになっていた朝熊羽衣を助けた後、咲良は秘密を打ち明けるのだった。

「私、賞を取ったの。雷撃文庫って知ってる?小説、ラノベの、そこの……」

感想

これは社会人が読むものじゃないですね。

いやかと言って学生時代に読んでいたら心動かされたかと言われれば、よく分からないけれど。宮沢賢治とか芥川龍之介とか、あるいは本屋大賞とか読んだ方が良いんじゃない?

ラノベを読む意味って何だろう?って考えた時に、まぁそれは勿論一般文芸では得られない栄養を得る為になるのだと思いますが、これは虚無でした。

どこに面白さを見出せば良いのだろう…?

設定とかキャラクターとかも全て空虚で浅いものでしかなく、舞台装置としての意味合いしか感じられませんでした。説得力がない。

特に主人公が好きになれない(寧ろ嫌い)のが致命的でした。

まぁそもそもいきなり幼馴染ヒロインがラノベ賞を受賞した!という展開があまりにも唐突過ぎてよく分からなかったのですが、それに対して何故か応援するではなく、編集者に嫉妬の炎を燃やし始め。

東京に打ち合わせに行くヒロインに付き添うでもなく、エールを送るでもなく、後輩サブヒロインとデートし出すという笑。

その他、化粧や服装に気を使い出した咲良に対して、無力で情けないし。

特別な存在になろうとしている相手に対して引け目を感じる気持ちも、思春期なら尚更分からないでもないと言えばそうかも知れませんが、普通に見ていてしんどかったです。

というか、主人公にとっても小説を書いていたのは寝耳に水だったという話だけど、こんなに親密に接してたらどこかしらで思い当たる節があるだろうに。

何なら、咲良が書き始めたきっかけは、幼少期に宏太が褒めてくれたからってエピソードがあるのに。

それで言うと、朝熊が昔に声を褒められた相手っていうのも宏太っぽいし、何て安直なんでしょうか。

脱線するけど、朝熊のエピソードも酷かったですねぇ。

高校デビューの彼女、容姿端麗で注目を集めているらしく、それ故に男女問題でトラブル?があって、悪意のある生徒から嫌がらせを受けていたという設定。

蓋を開けてみれば、ただのコミュ障で言葉を上手く話せないだけの内気ガール且つ、寧ろ恋愛方面は疎そうで。

で、その打開策がモノマネて笑。

そんなんただのイロモノ扱いで終わりでしょうに。何故かそれで受け入れられ始めていたのが強引で違和感しかありませんでした。

そしてこれまた安直に声優という役割を与えられていました。

これまでの行動を見るに社交性は全く無かったのだけれど…。

というか、パパ活と思われてた街中で一緒にいた男はマネージャーだったって話、それ正直に言ってればそれで済んでた話じゃん…。

何か折角インパクトのあるタイトルだったのに、それを全然生かせてなかったですよね…。

本来だったら、このセリフを言われたらもっと羞恥に悶えるものなのかなぁ。そんな存在と今でも近くにいるのは弱みを握られた気分になってる的な?

そもそも「わたしで童貞捨てたくせに」って言うヒロインはビッチじゃない? どんな気持ちで言ってるんですか…?

1回の性交で別れながらもその後も普通に、何なら友達以上の距離感で接し合う関係性もよく分からないんですけどね。

傑作だったのは、おっぱい揉む?で本当に盛り出した宏太くん。このド屑さは逆に面白かったです。冷笑ですが。

喧嘩して仲直りするまでの流れも薄っぺらかったし、というか基本的に宏太が悪いし擁護出来ない。

あとは、咲良が何で宏太相手に敬語で喋ってるのかも不明だったのと、最後の作家を目指す娘を窘める父を宏太が説得しに行くシーンも杜撰でした。

一々言葉遣いが気になるのと、成績が下がらないようにサポートしつつ、自分の成績も上げる!とか言い出して、いや今はお前の学力関係ないだろと笑。

それに、年収の話をしてるのに学力云々は話逸れてるから。

どんな親だって、一般文芸の作家ならまだしも、才色兼備な娘がいきなりラノベ作家になる!って言い出したら止めるって。とち狂ったのかと。

まぁ、学業に支障が出ない程度で平行してやる分には良いんでしょうけど、進学校という設定になってるから、端々に矛盾が生まれかけてるのが何とも。

あと急に宏太の母の呼び方リリーで統一するのやめてw 母で良いじゃん。

 

今回のbest words

もう辛気臭いぞ〜、元気出してってば。あ、そうだ。おっぱい揉む? (p.134 咲良)

あとがき

何回も言ってる気がしますが、主人公を好きになれない作品は致命的です。それがラブコメなら尚更で、その主人公がモテたら説得力の欠片もないので。

エロマンガ先生もまた強烈なタイトルだったりと雷撃文庫さんは懐が広いんですねぇ。