わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった⁉︎) 感想 ★★★

2020.2

今回は、わたなれ1巻です。

今となっては百合ラノベとしても、ダッシュエックス文庫としても看板作品とも言える作品となった今作。現在10冊シリーズ刊行があり、話をどう広げていっているのか気になります。

真唯のグループでも矢印が飛び交っている感じでしたけど、基本は身分差の1vs1のラブコメだからなぁ。

確かに登場人物がそれぞれ女の子である事で、主人公のれな子の陰キャエピソードが微笑ましく思えるし、可愛さ成分2倍というのはその通りだと感じました。

あらすじ

甘織れな子は、中学時代の陰キャぼっちの自分を変える為に高校デビューをし、金髪碧眼のクォーターでモデルとして活躍、『スパダリ』の異名をもつ王塚真唯と友達になる事に成功した。

上手く最上位カーストに潜り込めたれな子だったが、不相応の代償として息苦しさも感じていた。屋上へと逃げ込んだれな子の元にやって来た真唯と勘違いの末に転落するが、木のお陰で無事で済む。

「すまない。どうやら私は君をひとりの女性としてすきになってしまったようだ」

しかし、以後真唯からアプローチをかけられる事に!

 

感想

帯のコメント通り、顔がいい女がグイグイくる話でした。

これが顔がいいだけではなく、モデルをやっていて金持ちでハイスペで、所謂お嬢様のようなキャラクターで。その実、性格は王様系で自分の為に地球は回っていると言わんばかりの傲慢さと自信を兼ね備えたキャラクターでした。

お嬢様のようで王様系って何とも言葉遊びっぽい。

何でも自分の思い通りにいくと思っている節があり、れな子へのアプローチも素早く、そして大胆。それ故に読者からすると、割とポンコツに見えるキャラでもありました笑。

一方のれな子は、中学時代のトラウマ+陰キャ体質から高校デビューして、上手いこと真唯と友達になる事に成功した女子。

とは言え、根は臆病で内気な所があって、降って湧いた真唯から向けられる好意に、疑ってかかったり、きょどったりという感じ。あと、セリフに「!」が多い。

陰キャ主人公はやっぱりラノベとの相性が良いんだよなぁ。

という事で、真唯と親友として接したいれな子と、れな子を恋愛的に落としたい真唯の綱引きというのが本作の見所となっていました。

れな子としても、何故私を好きに?!という気持ちで、これは千載一遇のチャンスとも思っているものの、こじらせてはいるので(笑)、信頼し合える親友という関係を捨て切れず、かと言って真唯の剥き出しの欲望を受け入れる準備は出来ていない。

嫌とも言いづらいというのもあるでしょうけど。

それでも、徐々に真唯の直向きさ(性的欲求とも言う)に絆されつつあって、女の子を好きになる土壌が出来つつあり、その鬩ぎ合いという感じでした。

そりゃ一足飛びに恋人、それも女同士というのは憚られるのは当然で、まぁどこでれな子が陥落するのかを見届けたいと思います笑。

今はまだ"れまフレ"。

設定だけ見れば、異国の美少女に何故か気に入られて、身分差を超えての寵愛を受けるというようなテンプレではあるものの、それが百合となっている事で多少違った味になっていました。

もちろん可愛さ2倍だし、女同士という禁忌的な要素もある。

序盤こそラノベらしい軽い文体やキャラクター周りの整理で、慣れるまでは多少読みづらさはあったものの、こういう会話やノリで進んでいくと理解してからは、面白さも感じました。

真唯が髪を下ろしていたら恋人モード、纏めていたら友人モードと言いつつ、事あるごとに、高頻度に髪を下ろして接してくるとか。グイグイである。

1巻にして、れな子と真唯の絡みをれな子の妹御に目撃されるという衝撃シーンもありましたが、寧ろ家族的にはよくやった!みたいな流れで笑いました。大抵、家族はれな子の事を愛を持って貶している風潮がある。

ま、言ってみれば真唯は高嶺の花ではある。狙うこちらも花ではあるのだけど。

ただ、展開的に2人が屋上から落ちる場面とか、ビンタされた後に真唯が迅速にお相手探しを始めるシーンとか、やや強引な部分もあり気になりました。

こういうのはラノベにおける1巻としての事情もあると思うので仕方ないと思う事にします。

それから、真唯の学校でのグループ(れな子も一応参加中)として、小柳香穂は真唯への愛を隠さないスタイル、琴紗月はクールだけど真唯への好意を隠そうとして隠し切れてない感じ、瀬名紫陽花はふんわりお姉さんで、れな子は無意識に紫陽花の好感度UPさせてる?みたいな雰囲気がありました。

基本的にはみんなの真唯という立ち位置だと思いますが、真唯がれな子にぞっこん過ぎるので、亀裂が入りかねない危険な状態とも言えるかも知れません笑。

紫陽花さんとは普通にラブコメありそうですよ。

れな子もゲーム以外の遊び方を覚えないとな…。

そう言えば、百合作品である今作ですが、共学だったのは意外でした! そっち方面のアプローチも今後はあり得るか。

 

今回のbest words

くそう、ミス・パーフェクト!このスクールカーストスカイツリー女! (p.89 れな子)

 

あとがき

序文でも書いたように、今後のストーリーの広げ方がどうなっていくか見ものです。当時に1巻を読んだだけだと、続巻を読むか悩んでいただろうし…。

GA文庫から出ている『ありおと』は同人誌からで、わたなれは商業デビュー作的な立ち位置なんですね!