
今回は、『遥か遠くのスターライト』です。
ガガガ文庫『月とライカと吸血姫』著者の電撃文庫初進出作品。宇宙に関する部活を立ち上げる少女らのゆるふわ&異種間コミュニケーションという感じ。
そんな訳できらら系に近い要素でしたが、SFと言うには展開も知識的にもライト過ぎるのが個人的には物足りなかったです。モフモ星のダンスの字面を読むのが恥ずい()
あらすじ
1997年7月。空から恐怖の大王が降りてくるというノストラダムスの予言は半分当たって、半分外れた。その年月日にモフモ星人が地球にやって来たが、彼らは融和を望み、今ではコスモタウンで平和に暮らしていた。
石川県羽咋市、千里浜海岸。花宮陽奈乃は何かを祈るモフモ星人ルーフェニッピカランニュ・ファーミィと出会う。私立千里浜コスモアカデミー高等部の始業式で再会すると、ルーちゃんと呼び、周囲から浮いているように見える彼女と交流を図るのだった。
感想
〇〇の大予言といった占いはこれまでにも色々ありましたが、幸いにして地球から人類が放逐される事なく生き続けています。
そんな予言で宇宙人が本当にやって来たら?という所から本作はスタートしているらしい。モフモ星人は平和を望んでいて、ウサ耳と尻尾が特徴。
言語の壁というのも特に言及はないものの、モフモ星ならではの片仮名語が複数あり、腑抜けたような発音は、こういう作風特有のものかと思います。
食生活なんかも、案外人間のものに寄せる形で問題ないようで、故郷の料理を似せて作る事はあれど、苦手な物とかは無さそうでした。
どれくらいの人口が移住して来たのかは不明でしたが、食料問題とかは勃発している場面はなく、普通に仕事も人類に混ざって遂行している様子。
そんな中、ルーちゃんと交流を持つ事となった、元気で明るい以外は特に取り柄のない陽奈乃は、ルーちゃんの故郷に帰りたいという願いを叶える為、周囲を巻き込みながらモフモ星との交信を試みるというのが本筋でした。
その他の無人機製作同好会のメンバーは、運動音痴でバリバリな理系で頭脳担当の天北宙理(ソラリン)、生徒会長でお嬢様の御船真帆(資金力と交渉力担当)。
展開としては結構ご都合主義な感じでした。なにぶん宇宙に関する事なので、機材がどれも高額で、一高校生にはとても払える金額ではない。
それを偶々展覧会で掃除を好意でしていたら博士に出会って機材を貸して貰ったとか、コス祭でのUFOマカロン販売で突発的なSNS戦略が奏功するとかで乗り越えてました。
そんな感じで、250万光年離れたモフモ星にルーちゃんの想いを乗せた手紙を届ける為にやれる事をやっていく訳ですが(主にソラリンの頑張り)、4人一緒に1つの目標に向かって動いているうちに、ルーちゃんは故郷に戻るよりも、今が楽しい事に気付いていく。
要は、塞ぎ込んでホームシック(両親は地球にいる)になりかけていたルーちゃんだったけれども、それは思い込みでしかなく、仲間と行動すれば払拭出来るものだったという事。居場所を見つけたという事であり、案外地球も悪くないじゃん、みたいな。
加えて、それに気付いたルーちゃんが、陽奈乃は何もないと自分で言うけれど、私に光を与えてくれたからそんな事ない、と手紙で伝えるシーンは良かったです。
という事で、ゆるふわガールズの異種間交流譚でした。クラスにモフモ星人は1/3くらいの割合でいるって書かれてたけど、ルーちゃんは馴染めない側だったという事か…。
因みにモフモ語で、マカ=愛、ロン=手紙からマカロンが計画名。
そういや、イラストレーターさんハナヤマタとかおちフルの方じゃん。
今回のbest words
高次元円盤餅──魔渦論 (p.159 宙理)
あとがき
べんとらー、べんとらー……