りゅうおうのおしごと!19 感想 ★★★★

2024.6

今回は、りゅうおし19巻です。

帯コメの「空銀子、復活」が正しいんだか正しくないんだか。正直、再び将棋の舞台に立たせるのは酷なのではと思ってしまうのですが、八一との関係が固まり、あいが導いてお膳立てした状況下、クライマックスの跫音がして参りました。

八一と創多の対決も熱かったです。創多がセッ…って言ってたのにビビりましたけど笑。

あらすじ

あいが将棋連盟に投げ掛けたプロ編入試験。それは、あいがプロとは言えフリークラスの坂梨、そして創多にも負けた事で暗雲が立ち籠め始める。しかし、あいの奮闘は鹿路庭や、月夜見坂らの闘志に火を付けていた。

星雲戦決勝に駒を進めた椚創多は、憧れの八一との対局を迎える。相振り飛車という予想外の始動をした駒組みの終着には、あいとの約束が鍵となっていた。

感想

りゅうおうのおしごと!という作品が伝えたかったのは、ソフトでは体感できない人による熱量なんだろうなぁと思います。

その熱量が他人に伝播して、影響を受けた人もまた奮い立って、そこに人間ドラマが生まれていく。人類もまだ捨てたもんじゃないよ、というような。

今回のbest wordsにも選びましたが、淡路で鍛えた八一と天衣が前回敗れたという経緯もあって、八一は人の可能性を追求する道を選ぶようにシフトチェンジしていて、結論のその先を示してくれるのでは、と期待しています。

とは言え、創多の快進撃は凄まじく、歩夢に加えてあの名人でさえ押さえ付けるという、怖いもの知らずの偉業を打ち立てていました。

しかしながら、創多と当たった八一は、八一以上の才能を見せる創多に翻弄されながらも、最終的には詰将棋の知見が生きた事で、八一が勝利。両玉と桂馬だけの終局図という奇跡。

あいとの約束だった、詰将棋が実戦でプラスに働くかどうかの宿題を果たした形。ではあるけれども、今回上手く嵌っただけで、創多が今後タイトルを総ナメしていくのは予想出来てしまうかも…。

そんな八一は、他にも主人公してました。というのも、銀子に将棋で勝ったら結婚して欲しいとプロポーズしていたから。さらに、負けてもプレゼントを渡して、その中身が婚約指輪という、どっちに転んでもな段取りまで。

銀子と結婚する事のリスクを示されながらも、自分の気持ちを曲げないでいた八一は、しっかり主人公してますね〜。

これで、銀子ももう死に物狂いで将棋の世界に身を置く事なく、薊姐さんみたいなポジションに向かうのかと思われましたが、棋士としての銀子を呼び止め呼び出したのは、あいでした。

将棋会館に近付く等したらまだ発作が起きる銀子にとって、ある意味では残酷なように感じますが、この作品の終着点は銀子とあいの対局になるのでしょうか。

あいもまた、自身の読みの精度が落ち始めているみたいな話がありましたが、それは経験値故なのか。それとも、ソフトを吸収してさらに強くなってしまうのか。

ここまで来ると、あいは八一以上に創多に匹敵し得る存在に羽ばたく可能性が高いですし、プロ編入試験にもかなり希望を残す形になりそうですね〜。

でもそれって、勝負には勝って恋愛では負けた、みたいな扱いになるのか…?

あ、八一の住んでたマンションは高値で売れたらしい。天衣お嬢様お金を稼ぐの上手過ぎ…。

今回のbest words

機械の吐き出す最善手を暗記することで強くなる者もいるだろう。でも俺は人と関わることで生まれる偶然にも価値があると思う (p.409 八一)

あとがき

あいのお家芸である"こうこうこう…"を他のキャラクターがやると笑っちゃいますね…。別にお巫山戯ではないんだけども。

あと、桂香さんがひっそりラノベ作家の道の入り口に立っていた!笑 富士見Lならぬ神楽坂L文庫。担当は鵠さん?というか、桂香さんがあのラノベ的なタイトル考えてたとしたら面白い。

心が折れても終わりじゃない鏡洲さんと共に良き飛躍を祈念しております。