今回は、マケイン1巻です。(再読)
現在絶賛アニメ放送中で、夏アニメを席巻していると言っても過言ではない本作。1巻ではアニメの4話までの内容で、温水が八奈見と友達になるまでが描かれました。
懐古的なぼっち主人公スタイルなのですが、突っ込みの切れ味やどう周りから避けようかという観点も含めて、学校の水道水の研究をしちゃうような絶妙なカッコつけやニヒルさを感じて面白かったです。
第15回小学館ライトノベル大賞ガガガ賞受賞作。
あらすじ
ツワブキ高校1年の温水和彦はぼっちである。そんな温水はファミレスにて、クラスメイトの八奈見杏菜が、幼馴染で片想いの相手の袴田草介からほぼ振られる場面を目撃する。
負けヒロイン街道を走る八奈見は、その流れで温水に借金をし、日々の弁当で借金を返すという奇妙な関係性が始まっていく。それから、温水の周りには陸上部の焼塩檸檬、文芸部の小鞠知花という負けヒロインが増えていく事に。
感想
初読時よりも楽しく読めました。アニメでキャラクターにより愛着が沸いた上で読めてるからかも知れません。最近思うのは、アニメを観て記憶が残ってる内に原作を読むのが割と良いのではという事。
檸檬が体育倉庫で上裸になったのは原作でもマジだったし、このシーンがこっちに移動してるんだ〜とか、LINEとかMeToo案件とかはカットされてるとか、逆にこのセリフこのままだ!とか。
担任の甘夏先生なんかは、声が付いた事でかなりキャラクターが立った印象もありました笑。学校の同じ卒業生である小抜先生との関係も気になる所。社会人らしからぬ思考は共通項でした。
こう読み返してみると、キャラクターの個性はばっちり出てましたし、今回の大きなイベントは文芸部の缶詰(?)合宿だけでしたが、流れるようなストーリー展開だったように思います。まー、八奈見に加えて檸檬も付いてくるんかいってのはありますが笑。
八奈見に関しては、大体食い意地張ってるパターン多めでしたが、それがまた可愛い。スクールカースト高めで、温水が自分と噂されるのは申し訳ないとの事で終盤に仲違いしかけたものの、昼食をお互い楽しいと思っていたのと、袴田の無責任発言もあって仲直り。
からの友達へという事ですが、普通は友達って自然になってるものだから、確認を取ろうとする温水がまだまだ人間関係に慣れてないという所でしょうか。友達になって2〜3年後に同じ場所で告白する云々が伏線になってると良いですねぇ。脈はあると思うぞ温水君。
八奈見と同様に、幼馴染でありながら泥棒猫されたのが檸檬でした。アニメではそこまでだったけど、かなりのお馬鹿キャラとしての一面もあって、片想いの綾野が塾で朝雲さんと付き合う事になったのは皮肉なものか。
ただ、綾野は檸檬がモテると思っていて、自分に好意があると知らずの鈍感さを持ってるようなので、まだ取り返しは利くのかなーという気もする。日焼けキャラはラノベでは中々珍しい?
小鞠に関しては、典型的な文芸部員といった感じのキャラクター。吃る喋り方はアニメの声優さんも上手かったよなぁ。こっちは、泥棒猫を狙って負けヒロインになったパターン。
合宿の手持ち花火の暴発を部長に助けられて、その勢いで告白したシーンでは、何だかんだで小鞠の芯の強さみたいなのも感じて良かったです。負けヒロインの涙は尊い。
それにしても、温水が名前だけ書いて幽霊部員となっていた文芸部が全ての起点となってましたね。綾野も文学少年だからこそ、檸檬との交流も始まってみたいな。
そこから、小説を書こうという話になったり、部長がなろうに投稿してそこそこの評価を得ている人だと分かっていったり。というか、合宿ほぼ遊んでたような…笑。よく分からないメンツながらビキニを着てくる八奈見さん可愛い。
今回のbest words
あのね、温水君。女の子は二種類に分けられるの。幼馴染か、泥棒猫か (p.114 八奈見)
あとがき
何よりの発見は、八奈見が持ってきたオムライスに掛けた帝王ホテルのホワイトソース、賞味期限切れてたんかい!という笑。
それから、文芸部の合宿で古都に赤飯渡したのやっぱり佳樹だったんだなと。