ブギーポップ・パズルド 最強は堕落と矛盾を嘲笑う 感想

2024.6


今回は、ブギーポップ25巻です。

色んな登場人物が出てきましたが、要は最強ことフォルテッシモが一時的に能力を剥奪されて起こるあれやこれやがメインでした。フォルテッシモが亨に負けたってずっと思ってるのが好きなんだよなぁ。

あらすじ

臣井拓未は、1日に1度誰もいない廃墟を彷徨う趣味を持つ中学生である。ある日、〈ポエトリー・アナトミー〉羽衣石頼我が〈サーチ・ショート〉を追い詰める現場に出会してしまう。助けに来た〈ミラー・ショート〉との双子コンビはその能力から統和機構に追われていて、そこにフォルテッシモとカチューシャが現れる。

ショート姉妹の能力は完全なものではなかったが、複雑な事柄が絡み合い、フォルテッシモの能力は、羽衣石に奪われる形に。弱体化したフォルテッシモを倒そうと各勢力が仕掛ける中、カチューシャ、臣井とその幼なじみの如月咲奈は事態に巻き込まれていく。

感想

フォルテッシモが出てくる話は大体面白いのはいつも通りでした。そして、最強とは何かを考えさせられる話でもありました。

最強とは、勝ち続けることであり、負けないことであるのはそうなんですが、本文を読んでいて腑に落ちたのは、何事にも動じないことや確信を持っているということ。

人は、可能性を見つけるとそれに縋ってしまう。それこそが不安定であるとも言える。今回で言うなら、弱体化したフォルテッシモを倒せるかもと躍起になる勢力とか。フォルテッシモの、能力を失った時でもなお普段の態度を崩さない様は、誇りなのか泰然自若さなのか。

一方のブギーポップは、弱いから臆病で油断しないからこそ最強足り得るとも評してました。強さと弱さは表裏一体ということか。人と交流しないようでいて、フォルテッシモが敵の出方を予想できるシーンなんかは凄いなと思いましたが。

にしても、結局フォルテッシモは良い奴なんだよなと。ブギーポップの標的にならない時点で世界の敵では無いですし、昔の《サンタ・クララ》計画という偽善的な能力者の策謀も阻止したという活躍も。

という事で少し前置きが長くなりましたが、今回は化学作用?でフォルテッシモの能力が転々と移り変わる中、能力を失ったフォルテッシモが合成人間らに狙われながらもやり過ごし、最後は能力を取り戻す話でした。シーツの引っ張り方〜みたいな比喩表現も良かったです。

とにかくキャラクターも沢山出ていて戦闘も多発していましたが、カレイドスコープが羽衣石に殺されかけたのは驚きでした。まぁ持ち前の不死身さで死にはしてなかったですが。

フォルテッシモの能力は、羽衣石からホルニッセに渡り、最終的には臣井の元に行き着く訳ですが、これは運命だったんですかね。その後、自分に能力が戻ってくる公算もあったのかなという気もしてくる。

フォルテッシモがカチューシャの能力の幅を広げる助言をするシーンもありましたが、フォルテッシモが能力の基点にいるのかなーとも感じました。

今回のbest words

おう、おまえもシシャモさんって言ってくれよ (p.80 フォルテッシモ)

あとがき

扉の言葉って霧間凪のパターンもあるんだっけ?笑

筆者あとがきは、最強について語ってましたが相変わらず分からない笑。最強はなりたくてなるとか目指すものじゃないみたいな?