恋人以上のことを、彼女じゃない君と。 感想

2022.11

 

今回は、『恋人以上のことを、彼女じゃない君と。』です。

ラノベでは珍しい社会人ラブコメセックスフェアリーテイルだってする。

少し展開に強引さはありましたが、ヒロインとの軽快な会話劇は面白かったと思います。

感想

〜糸〜

ゲーム会社に務める山瀬冬は、会社近くのキッチンカーで皆瀬糸に再会。糸は大学時代の元カノで、現在は建築コンサルタント会社で働くOL。

社会人での愚痴を言い合うのは、旧交を温める上で普通なんですが…。

〜七並べ〜

出会ったその日に酒を飲みエンヴァというゲームを教える為に家に呼んでそのまま…。しかし、これで嫌われるという事もなく、2人は大学時代のような気楽な関係を続ける選択を取ることに。七並べのようにお互い何かを隠して進む。

現実を見るような事を言ったら千円みたいな約束は良いですね。

〜納豆〜

大学時代の学食で納豆を食べる女、糸。

恥も外聞もなく食べたいものを食べる女子だって悪くないよねと。ちょっと周りからずれた一面に惹きつけられるというのも微笑ましいエピソードでした。逆に、社会人になった糸にそういう傾向が薄れ気味なのが寂しさでもあり。

〜気圧〜

気圧の変化が苦手な糸は、チャットで『気圧』とだけ送ってくる事がある。

このある種のめんどくさを可愛いと思って付き合えるか否かが肝要かな。

〜観覧車〜

午前休を取って、2人で営業終了の迫る観覧車に乗りに行く話。

この後の話でもそうだけど、冬の行動力というか強引さが凄い。本当にブラック企業だったら当日休みとか無理なんだろうけどねという。そして、糸さんモラトリアムが凄い。

〜新宿〜

理不尽なリテイクに困り果てる冬と、父に進路等を強要されてきたという糸。2人の共通点は親への反発という面もあった。

冬はまだ糸に未練がある一方で、糸は最近別れた父の紹介の彼氏にうんざりして恋愛には距離を置きたい感じでした。そんな男いるんか?って思うけど、30近くなると好きでなくても結婚優先みたいな人も皆無ではないか。

孤独と言いつつ、ツーカーな相方がいればそれでいーじゃんと。

フェアリーテイル

セックスをフェアリーテイルと呼ぼうの回。

風呂とシャワー問題はこの本の最後への伏線でした。朝フェ。

〜カラオケ〜

社会人は長時間カラオケが体力的に厳しいと悟る話。

ナンパされた事で、2人の関係は何なのか見つめ直すんですが、まー「もう付き合っちゃえばいいのに」ですよ。カラオケボックスには監視カメラ常備。

〜山田〜

サークルの友人の山田と呑んで、会社の辞めそうな後輩への対応を改める話。

糸から伝染したパチキレるって単語は確かに独特ではある。山田は相変わらずマジうるせぇバカ定期。

〜合コン〜

糸が参加する合コンに、冬が同行して様子を伺う話。

ホガホガする冬が、やっぱり糸を誰にも渡したくないんだなーと感じさせられました。

〜卵かけごはん〜

激しいフェアリーテイルの翌朝、冬が豚丼ミスド鯛焼きを買って帰る話。

めちゃくちゃ食べる女の子は可愛いとは言うけれど、限度はあるよね…。全て食い尽くされた冬が食べたのがサブタイのものだったというオチ。誰かを想って買い物する様子も良い。

アフタヌーンティー

糸と糸の母とのお茶。

テーブル下での悪戯が可愛い。

〜シーシャ〜

糸とシーシャバーに行く話。

そもそもシーシャとは何ぞという所からなんですが、水タバコの事らしい。美人で妖艶なリリーさんとの出会い。接客完璧過ぎるし、本当にCIAとかでもおかしくない。

〜目黒川〜

糸の本当にやりたい仕事を聞いてはぐらかされて、その後ドンキの大人のおもちゃコーナーに行く繋ぎの話。

〜教室〜

教室コンセプトのラブホに行く話。

結構糸もノリノリで誘ってきてたりするなーと感じます。シチュエーションは現実の過去とリンクした方が効果あり?

〜大宮〜

強引な冬その②。ブラックな糸の会社事情を聞いて、平日に新幹線で無理やり東京から離れる事に。

那須塩原

牧場に寄って、ドライブして、那須塩原の宿へ。

もう少し糸は不貞腐れるかと思いきや、普通に会話してますねぇ。車の運転のブレーキが優しいで褒められるのとかもゆるゆるだなぁ。

「ねぇ、生でヤっちゃおっか」のみで白ページ笑。

〜言葉〜

糸のやりたい事は文章を書くことと判明。

言葉にする事で、心配を拭い去ったり、誤解が解けたりするんだなーと。こんな距離感で付き合ってないとか、歪と言ってしまった方が良いかなぁ。

今回のbest words

アリ寄りのキリギリス (p.47 糸)

あとがき

間話の花屋敷さんは、第三者目線で糸冬を見れてまた面白かったです。麻理さん=リリーさんか。

筆者あとがき無し!