
今回は、いもーとらいふ上です。
妹もので上下巻を銘打ってるのが不思議でもありますが、ちゃんと下巻の方も出ているのでそこは一安心。イチャイチャラブコメかと思いきや、結構現実に打ちのめされるような社会の厳しさの内容となっていて、そこはびっくりでした。
あらすじ
3歳年下の妹から『にーさん』と呼ばれるきっかけとなった出来事は、妹が6歳の時の夏休みの日記を手伝った事だった。妹には友達がいないようで、月日が流れても、過保護と思いつつも、事あるごとに構っていた。
大学生となり、高校生の妹を置いて一人暮らしを始める。彼女も出来た。しかし、大学4年生の春、一人暮らしの部屋に妹がやって来る。同じ大学に進学したのだと。
感想
期待値が高かったので、それを超えては来なかったかなーという感じでした。
にーさんは、妹に偏執的に好いている様子は見せていないものの、根底にはずっと妹を大事に思う気持ちを感じました。その度合いが、彼女以上のものだからこそ、溢れてはないけど、異常さは滲み出ているのかなと思いました。
珍しく、時系列はかなり飛び飛びで、章としてはにーさんが社会人になった以降の事まで描写がありました。これが中々にキツくて、パン工場に就職する訳ですが、単調なオペレーションで、周りの人が辞めていく様子から大変さが伺える。
そんな中でも、妹がお弁当を作っていてくれたり、家で待っていてくれたり、というその存在がいかに励まされ、大事なのかが分かるのが良かったです。働く動機なんて、お金は勿論ですが、守りたい存在というのも必要だなと思わされる。
この作品を読んでいてとても感じたのは、時の流れの残酷さです。現状がずっと続くなんて事はないし、周りが何か事を成すと自分が置き去りにされたように感じる。自分の意思とか、流されない事も大事なのかなと。
にーさんが何とか仕事を辞めずにいる一方で、妹は小説家を目指していました。この辺りは、設定が安直で少し残念ポイントではありましたが、1番リアルに話を書ける利点もある。でも、まさか絵日記で苦戦していた妹がねぇ…。
2回目の応募で、妹は賞を勝ち取り本当に作家デビュー。変わらない自分と、妹の飛躍のギャップに苦しむのが辛い。しかも、追い討ちをかけるかのように、パン工場で働いていて辞めた同期の男も同時にデビューしたという。
妹は可愛かったですが、次回は何故にーさんにそこまで付いていくのか、小説家を目指すかを明かしてもらって、にーさんに元気になって貰えれば…という所でしょうか。
今回のbest words
だってわたしのじんせーは、にーさんでほとんどだもん (p.246 妹)
あとがき
筆者あとがきがまた短い…。
名前が出てないから、にーさんを何と呼んでいいか悩む。