クロクロクロック 結 感想

クロクロクロック 結 2016.1

 

今回は、クロクロクロック結です。

1/6から始まって、本当は6巻出すつもりだったのかなぁと推察するけども、3巻で完結という運びになりました。ただ、内容としては結構面白かったので、もし無理に終わらせたのだとしたら、勿体無いと思う気持ちもあります。

あらすじ

誘拐された岩谷カナは、とある山小屋に監禁される。カナが託した犬は、木曽川と偶然居合わせた時本美鈴を山に向かわせる。同じくして、二条オワリは花咲太郎に犬と少女の捜索を依頼。

首藤祐貴は、銃の密売人から新城雅の殺害の代わりに拠り所を得て、雅の潜伏する山へ向かう。小泉明日香から祐貴の殺害依頼を受けた黒田も祐貴を尾けて山へ向かう。その山は、緑川円子の工房のある山であった。

感想

最後までどう転ぶか分からない展開で面白かったです。まさか1巻以降で人死にが出ないとは予想もしなかったなぁ。

いくつか謎が解けてない部分があるのが少し残念な所ではありましたが、それ以上に綺麗に纏めて完結させる技能を賞賛したいと思いました。黒田に円子の殺害依頼したのは誰?とか、カナの誘拐犯の目的と素性とか、何故新城雅貴が円子の弟子でいたのかとか…。

というか、今作の1番のポイントと言っても過言ではない、紛れたモデルガンの設定を上手く使えなかったのは問題っちゃあ問題だったけど…。

ただ、点と点が線で結ばれて、交差点に登場人物が一堂に解する展開も良かった。それから、事件後に心境が変わったり、誰と誰に接点が生まれたとかを1巻と比較するのも面白い。あの山は円子が持ち主で良いのかな?

それから、岩谷老人がちゃんとカナの祖父だと判明したり、二条オワリの犬はまさかの人の言葉を解するだけでなく、文字まで書けるというスーパー犬だったり、雅貴が黒田の元教え子だったりも。

それぞれの人物の動きと終着については、

首藤祐貴は銃の密売人の手下として殺し屋として生きていきそうで、密売人の親玉?が新城雅で、木曽川と雅貴は一触即発になりながらも間が抜けたお陰で殺し合いには発展せず、カナは円子を師匠とする事となり、美鈴は木曽川を崇拝し、オワリは犬と再開し、明日香は祐貴殺害の為に黒田の元に身を置き。

山に集った面々が、祐貴の自暴自棄の美鈴を人質とするシーンで、何か膠着状態になりながらも、そこで助けるのがロリコンの太郎というのも良かったです笑。

今回のbest words

今度、害虫駆除を呼ぶから (p.280 緑川円子)

→このセリフを円子から言わせたのはとても価値がある。一連の事件を通して、何故か黒田と円子は恋の引力を発揮してたという笑。

あとがき

筆者あとがき短過ぎ!本当に書く事が無くなったのか…。

p.157の挿絵は深崎さんの絵だーって感じ。研修中の髪飾りも好き。