今回は、『恋人以上のことを、彼女じゃない君と。』2巻です。
会話劇の面白さはそのまま、環境が多少変わって、少しずつ関係性を昇華していこうという動きの見られる回でした。
感想
〜キス〜
公然でのバカップルを見てご機嫌斜めな糸が、秋のフェアリートラップ・キャンペーンを発令する話。ルールは、周囲にバレずにキスを成功させたら500円された側から貰えるというもの。
糸も冬もそうなんですが、何をやるにしても周りに迷惑を掛けないが前提なのが良いなーと思います。この話はオチの冷静さも面白い所でした。あと、キスは最もソフトな性行為というパワーワードも生まれてました笑。
にしても、本当に公共の場でイチャつくカップルは湧くからなぁ…。これはもう見て見ぬふりをするという対処法以外はないという。
〜映画〜
映画好きな糸。好きなジャンルが冬と異なる。
映画館の暗い中で少しイチャつきかけるも、周囲にバレずにギリギリセーフ。ブーメランになりかけてました。親の話をしたら五千円というルールも追加に。
〜イケア〜
新三郷のイケアに行く話。
有吉の壁みたいに行く先々でコントしてるのは微笑ましかったです。そう言えば、あれから糸は編集プロダクションに転職したらしく、家での仕事も増えたらしい。
という事で、仕事用の椅子なんかを見にきた訳ですが、日曜も仕事を持ち込んだりして、それを冬に咎められるという展開。確かに好きを仕事にした分、辛さはないんだろうけど、心配にはなる。
細かいですが、納豆ネタをこするやり取りも好き。
〜雨〜
今は川崎に住む糸の家にいく休日。
ぬいぐるみの1軍とか昇格システムについて語る糸さん可愛い。聞き流すと怒る。無駄な1日なようでいてこれもまた意味のある1日。ただ、怠惰が過ぎる。
〜タバコ〜
ゲーム会社に新たに来たマネージャーの鶴の一声に対抗する為に冬が奮闘する話。
それ以上に、親の話が出た事で気落ちしかける冬の異常に気付く糸が流石でした。
〜ゲーム〜
野球拳マリカ。
隣でブラとショーツの女とやるマリオカートやばいっすね…。手加減したらしたで怒るらしい。難しい。
〜サウナ〜
2人で個室サウナに行く話。
糸は初挑戦ながら、サウナーの神になりかけてるの面白い。負けず嫌いはここでも発揮。キスのキャンペーンは継続中。
サウナって今後絶対来ると言われながら、めっちゃ流行ってるかというとそんな気もしないけど、どうなんでしょうねぇ。
〜純喫茶ユニコーン〜
花屋敷さんのいる喫茶店。その店員の1人小室さんが糸に恋愛相談をする話。
地味に人見知りな糸は初対面の小室さんとの会話はぎこちなさ気がありましたが、恋愛を客観視する良い機会だったような感じもありました。しかしダンサーって。
〜同窓会〜
山田が幹事の同窓会に2人で参加する話。
周りには明かしていない関係性をこっそり愉しむ糸は糸らしい。結局、仕事は趣味の延長線であれそうでないにせよ大変という事で。
まだキャンペーン継続中。
〜二十五歳〜
誕生日に糸を誘いたい冬。誘う事は、関係性の進行と表裏一体と考えていた。
リリーさんに伝わらない二十五歳=より大人になった気がする理論が、すんなり糸に通じるのはやはり相性かなぁと思いました。
結構、冬は風呂に一緒に入るとかもそうだけど形式は気にするタイプだよね。
〜高松〜
冬の母が急死して誕生日前日に実家の高松へ。
優秀な兄に比べて母に軽んじられた過去があって、あまり良い気持ちではない冬でしたが、最後の言葉が2人の名前だったと言われても、今更って感じだよなぁ。
葬儀を見て、故人には色んな顔があったとも知れるんだなと。
〜東京タワー〜
忌引き休みもあって糸と東京タワーへお出かけ。
冬は糸への好意を再認識してそう。遅れて糸のポストに届く冬への誕生日プレゼントは間が抜けてて面白い。誕プレをネット通販で買って良いの?という議論はさておき。
今回のbest words
いきましょう、『ととのい』の向こう側へ (p.145 糸)
あとがき
花屋敷さんとリリーさんは同居してるのか。百合なの?リリー・フランキー。
また筆者あとがき無し!GA文庫の方の宣伝も載ってるのね。