
今回は、りゅうおし9巻です。(再読)
表紙が1巻と対となる構図なのが良いですね〜。という事で、《神戸のシンデレラ》が《浪速の白雪姫》に挑むマイナビ女子オープン決勝戦でした。
天衣の心境の変化に注目!
あらすじ
マイナビ女子オープン本戦トーナメント挑戦者決定戦で、天衣は供御飯万智を下し、タイトル戦は同門対決となる。しかし、そのスケジュールは超過密であった?!
1戦目を反則負けで落とし、2戦目も不甲斐ない戦いで敗北し後が無くなった天衣。改めて空銀子の壁の厚さを感じ全てを投げ出しそうになるが、そこで八一は帝位戦の挑決で生石さん相手に、『ゴキゲン三間飛車』なる常識はずれの一手を見せ…。
感想
空銀子やっぱり最強じゃねーかっ!
八一にとっての名人のように、女流棋士ではとにかく圧倒的な姉弟子の才能。それはこれまでの成績の通りではあるのですが、初手合いとなった天衣にとっては、より強烈なものであったに違いない。
初戦では、着物の袖によって香車が盤の外に落ち、それがよりにもよって駒台の上で、その駒を持ち駒として使用してしまったが故の反則負け。
初めての舞台で緊張する天衣と、慣れて泰然自若とした銀子の差が出てしまった形。それを指させる為に局面を誘導した銀子がまた老獪であり。
普段であれば一笑に付す反則を、プライドが高い天衣がしてしまったのは、かなり心身にダメージがあったんだろうなぁと思います。それ故の、2局目はすんなり決着が付き。
ここで八一がした事は、竜王防衛戦での桂香さんと同じように、将棋を以って励ますという手法でした。
それは、生石さん相手に振り飛車を指すだけでなく、それが公式戦で類を見ないアマチュア的戦法を使用し、剰えそれで勝利してしまう姿で。そして、それがまた天衣の父の使っていた戦法なんですよねぇ。
生石さんがソフトを配慮して居飛車を選択し始めていたのにも驚きましたが、それを振り飛車で制圧してしまう八一は、ある意味蹂躙だなぁとも思うのですが笑。
あ、でも八一が天衣の両親の墓参りをかかさずしていたっていうのは、ちとやり過ぎかなぁとも思いました。若いのに聖人過ぎるし、そこまでやっちゃったら天衣ルート進んで貰わなきゃって笑。
結局、天衣はストレートで銀子に負ける訳ですが、そもそも5歳年が離れているのに加え、一回は千日手に追い込んだというのは、今まで誰も成し遂げていない事だったので、善戦したと言えると思います。
そして、それ以上に天衣の将棋への向き合い方が、両親との過去だけでなく、現在や未来を見据えてのものになったのは、良い成長でした。
また、銀子を真似るも越えられず、でも母となって丸くなりながらも強くなった茨姫こと花立薊さんの話していた、愛が将棋を強くするを理解してしまったのも大きいかなと。
今後は、天衣から八一へのラブコールの機会も増えるかも…?
あとは、あいは観戦記者として対局を見守る側でした。天衣をライバルとして(将棋&恋愛も)再認識すると共に、この舞台に棋士として立てなかった悔しさをバネに、更なる努力が見られそうで、楽しみです。
今回のギャグパートとしては、天衣の祖父の危篤と偽って婚約のサインを八一に押させようとしたり、シャルちゃんの『ちゅき』の作文が新聞に載るなど…。これくらいの塩梅が丁度良いかなと。
今回のbest words
だから今日は俺が、その人のために指しました。その人のためだけに (p.245 八一)
あとがき
白鳥さん観戦記を書いたらしく凄い!