今回は、新約とある3巻です。
ハワイで繰り広げられるグレムリンとの戦いの火蓋が上がる!のと、キャラ多くて読みづらい!って感じの回でした。最後まで読むと、グレムリンの片鱗が見えただけの巻だったというのが分かる訳ですが…。
あらすじ
バードウェイにより、グレムリンがハワイで暗躍するという情報を得た上条らはハワイへと向かう。オカルトの力によって、何人かの米国人が操られる事象が確認される中、大統領のロベルト=カッツェを巻き込みながら事態は進行する。
上条らは、敵魔術師の魔術の仕組みを手探りで模索していく一方で、事態の裏側にメディア王オーレイ=ブルーシェイクが絡んでいることが分かっていく。
感想
400ページの分量、登場人物の多さ、コロコロ変わる展開等で少し読むのが大変ではありましたが、罪のない弱者を救おうとする上条らしさや、ラストで自分だけで事態を背負いこもうとする所に加えて、少し美琴が勇気を出すシーンは良かったです。ペアリングは渡せてなさそうですが…。
色々話が混み合っているんですが、オーレイが合衆国を意のままに操る為にグレムリンを利用した一件が表にあって、裏側ではグレムリン側は今回の一件で黒幕は表に顔を出さずに、世界大戦で割りを食ったロシア清教の魔術師を指嗾しつつ、『起爆剤』を使用し火山を噴火させることが真の目的だったと。
結果として、表の問題は解決したものの、グレムリン側はやるべき事を成し遂げたという形のようですね。『起爆剤』絡みの目的はまだ分からずでしたが、阻止は仕切れずに目的は達成したようですし、バードウェイの寝返りもあって、今回の介入によって学園都市が孤立の方向に向かいそうという。まぁ、端っからバードウェイは怪しかったんですが、現状完全な敵っていう感じでもないんだよなぁ。そも魔術サイドですしね。
今回の表の敵ロシア清教の魔術師のサンドリヨンは、御伽噺をモチーフにした魔術でサローニャはレーシーを元にした人を操る魔術でした。色々と制約がある訳ですが、こういうモチーフを調べていくのも面白そうですね。それと、読む順番で人を操ると言えば、スパイ教室の紫蟻もそうだったなーと思いつつ。
新約シリーズは、第三次世界大戦の後の話なので、やっぱりその出来事が色々なものの根底にあるんだなーという感じです。また、今まで交わることのなかった一方通行、上条、浜面に美琴などが同じ舞台で戦っているのも新鮮だなぁと思います。
今回のbest words
アンタと私は、同じ道を進んでいる。その事を忘れんじゃないわよ (p.372 御坂美琴)
あとがき
その名の通りグレムリンが"暗躍"する回だったなぁという印象でした。学園都市に戻らないと言った上条はどうなるのか。
前々から思ってたんですが、鎌池さん何であんなに美琴の心情を描くの上手いんでしょう…?笑