心和のラノベ感想

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妹さえいればいい。 感想

妹さえいればいい


今回は、妹さえ1巻です。

丁度、俺妹などで有名な伏見つかささんと、今作の作者平坂読さんの対談記事(

https://t.co/waVb83wikq)

を読んだところだったんですが、妹さえもラノベ作家が主人公で、個性的な面々と馬鹿騒ぎしていく作品なのかなーという感じ。主人公が大学生という設定もラブコメとしては珍しい?

初版が2015年の3月でびっくりしました、そんなに前だったの?!因みに、エロマンガ先生の初版は2013年の12月でこちらもラノベ作家主人公の妹萌え作品なんですが、やはりテイストが違っていて別種の面白さがありますね。

感想

平坂読さんの突拍子もない尖った作風が色濃く出た作品だなぁと感じました。たまたまこの作品はアニメを観てなかったので、銀髪美少女(可児那由多)が妹キャラなのかなーと漠然と思っていましたが、そうじゃなかった。

妹好きの大学2年生で主人公の羽島伊月には、親の再婚で出来た千尋という弟がいて、まず挿絵の段階で女の子じゃなかったんかい!ってなる。千尋は中性的な顔立ちで、ガサツな伊月の身の回りの世話を完璧に熟す優秀な人物であり、終盤になって実は女の子であり、妹でしたー!となる(読者にだけ明かすというのも肝)。この女子と思わせて男子だったと思わせてやっぱり女子でした!という流れは、正にはがないの幸村のそれなんだよなぁ笑。

はがないは既読で、ラノベ部は持ってるけど未読、それ以前の平坂さん作品は読んでみたいけど持ってないという状況なんですが、セルフパロディネタとかその他のラノベ作品が作中に出てくるのはラノベ読みとしては嬉しいですね。

可児那由多(カニ公)というキャラは、伊月の2年後に賞を受賞した作家で伊月以上に人気と才能を持つ人物。虐められた過去を持ち、伊月の作品に救われてそれ以降伊月を恋愛的に好きになり、行動的な一面があるということで、エロマンガ先生のムラマサに近い感じかな。伊月との「え?何だって?」のやり取りがはがないを踏まえても面白いです。

白川京は、伊月の大学の同級生で、周りから浮く伊月を気にかけて、最初の出会いこそ言い合いになったものの、伊月が大学を中退してからも何かと気にかけて、密かに恋心を抱くキャラ。

あとは、伊月の同期作家でイケメンの不破春斗とか、見た目中学生でドSだけれどもやり手の税理士大野アシュリー、イラストレーターの恵那刹那(PNぷりけつ)などが登場。みんなしっかり個性的でした。アシュリーのエロゲタイトルなどの追求に対して、淡々と敬語で返していくやり取りも最高でした笑。

春斗は、何事も卒なくやれる一方で、稚拙でも破壊力のようなものを持つ伊月に実は劣等感を感じていたり、伊月の方も才能ではカニ公には敵わないと思っていたりと、こういった掘り下げも今後あるんかなー。あと、春斗にはブラコンツンデレ妹がいましたね…。

突拍子もないと先に書きましたが、それの代表が寒くなったから沖縄に旅行しに行って、その数日後にいくらが食べたいと言った刹那と共に北海道に行くという自由さですよね笑。イベント事としてはさらっと書かれているんですが、それでも面白いから流石。キャラだけで上手く回っている証拠だと思います。

それから、作者の嗜好からか全裸シーンも多くて、特に243ページのカントクさんのイラストはめっちゃエロい。TRPGもう少し見たい。

今回のbest words

……え、なんだって?よく聞こえなかった (p.105 羽島伊月)

あとがき

「お兄ちゃん起っきっき〜」から始まる話が面白くない訳がない笑。

挿絵の入る位置といいイラストといい物語といい、確かに青春ラブコメの到達点と言っても過言ではなかったと思います。作家にとって、書きやすいジャンルではあると思いますが、楽しそうな反面で大変な仕事だとも推察します。

割とおちゃらけ気味でシリアス感が薄めですが、今後どういう展開になるのか楽しみです。