心和のラノベ感想

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現実でラブコメできないとだれが決めた?4 感想

現実でラブコメできないとだれが決めた?4


今回は、ラブだめ4巻です。

およそメインヒロインがして良い類の表情でない清里さんが表紙の今巻(笑)。勿論、清里さん回なんですが、清里さんが中学生だった頃の話がメインで、今の清里さんの思考がどう形成されたか明かされる重要回でもありました。

あらすじ

当時中学生だった清里芽衣。みんなが笑ってる理想を目指してできる限りのことをする快活な少女だった。

芽衣は、品川未春、三鷹望、大森朝陽の3人と仲良しグループを築いていた。何でもハイスペックにこなすだけでなく、自分を犠牲にしてでも周りの協調を取る芽衣は、徐々に周囲から煙たがられるようになっていき__。

これは、清里芽衣を普通に徹することに盲信させるきっかけとなった禁断の過去回。

感想

主人公がほとんど出てこない!笑 ちょろっと出て良い活躍もしてるけど。あみだくじとか。でも、その分、清里芽衣というキャラクターが最大限に深掘りされていて、とても面白かったです。

いや、どちらかと言うと胃に悪かった笑。ラブだめって意外と、悪意に満ちている部分ありますが、今回は特に!芽衣ちゃんが良い子過ぎて、逆に!

特に、ボロボロになりかけての最後の追い討ちで、梨々子の「私が、やけにあんたたちの事情に詳しいの__なんでだと思う?」で鳥肌立ちましたよ笑。みーちゃんだなって察してしまって。唯一の拠り所の親友にさえ裏切られてしまったら、もう誰も信じられなくなってしまう…と。

端的に今回の内容を述べると、仲良し4人グループの崩壊を描いたもの。そして、芽衣の孤立と意識の転換点。

天才は無意識に周囲の人間を傷つける。それを強く感じました。さくら荘だったかな、なんかそれを思い出しました。

とにかく、中学校時代の清里さんがマジで天使でした。挿絵のメイド姿も本文で回収されてて良きでした。何事もハイスペックで、性格も神って本当すばらですね。流石に、他人のミスを陰で自腹で払ったり、八方美人な所はやり過ぎ感ありますが。

読者はこの健気な清里さんを見ているからこそ、普通な他人の足の引っ張り合いに絡まれて、崩壊というバッドエンドを辿ったことが、とても胸が痛くなる。人間の弱さでもあり、悪意でもあり。

また、好意の矢印が絡み合うのはどうしようもないことで、告白を受け入れても断っても、どちらを取っても誰かが悲しむ。だから、そもそも論みんなを幸せにするという目標そのものが土台無理な話なんですよね…。

今回で、十二分に清里さんが捻くれた理由が分かってある意味すっきりしました。でも、普通に行動しようとすること自体が普通の人の思考じゃないって誰かが言ってましたよ…。

あ、水着イラスト良きでした!

あとがき

このヒリヒリする展開は好きですね。清里さんが普通に全力を出してぶつかっていける人に出会って欲しいと切に願うばかりです。

次回は、耕平の中学時代の同級生が出てきそうな予感ですが果たして。

2022.6.11