今回は、スパイ教室5巻です。
5巻では、不可能任務ではなく同世代との競い合いに焦点が当てられた話でした。それも、落ちこぼれの『灯』と対照的なスパイ学校の精鋭達のグループとの。
あらすじ
紫蟻との交戦の後、スパイとして一人前として認められたかに見えた『灯』のメンバー達であったが、任務の失敗が続いていた。
「正直、終わっている__ゴミ以下だ、アンタのチームは」
スパイ学校のトップ6人で構成されたチーム『鳳』のリーダーは、『灯』ボスのクラウスの強奪を目論む。それを看過出来ない『灯』メンバーは、どちらが上か勝負をすることに。
感想
面白かったです。各キャラの個性が出ていて、動かし方もそうですが、読者の意表を突く展開も多くて、スパイ教室らしさが出ていました。
ここ最近では、敵とのバトルが多かった中で、同国のスパイとの力比べという形は新鮮でした。言われてみれば、スパイは『灯』だけではないですし、今回出てきた『鳳』は同国のグループで、世の中にはごまんといる訳で。
そして、当の『鳳』はスパイ学校の最優秀者たちで構成されたグループ。当然、『灯』にとっては劣等感のある相手ですが、結果としては負けるが勝ちみたいな展開となりました。いや、噛ませ犬的なポジションに近いというか。
今巻の1つテーマとして、"詐術"がありました。『灯』に不足している、自分の特技と組み合わせて相手を翻弄する技術。読み終えると、今回のお話は5巻副題のエレナが逆に『灯』に向けて放った詐術だったのだという気がします。自己犠牲の上で、メンバー達を発奮させるような。ドジっぽい印象の強かったエレナですが、今回は輝いていたと思います。
そして、このメンバーのままでいたいという強い気持ち、チームワークが『灯』の強さでもあるんだな、と。
実際、モニカとヴィンドはどっちが強いんだろうなぁ。さらっと『鳳』の2人を倒すモニカがやっぱり流石でしたが。加えて、サラ等を鍛えようとする行動も良かったですね。
あとがき
若い時代が来るよということで、『灯』のライバルとなるスパイグループが出てきたな、と思ったらまさかのラストでの衝撃。ヴィンド君あんなに強かったじゃない…。
かくも激動の時代にあって、今回また成長をした『灯』メンバー達。次回、新敵キャラとの交戦でしょうか。
2022.5.22