今回は、スパイ教室短編集1巻です。
ファンタジア大賞を獲った作品にしては、短編集が出るスピードが速いなと思います。
物語としては、1巻終わり〜2巻始めまでの5本の短編となっていて、4巻まで既に読み終えているので、大体の各キャラの性質を解しながら読めたので良かったです。
「の!」という短編を近々読んだばかりですが、あんな感じで本編で描けないゆるい雰囲気がありました。
あらすじ
クラウスを降参させるべく、グレーテは偽装の婚約届けを提出する。そこで、クラウスは戸籍上婚約していることが判明し、誰が花嫁なのか探り合いが始まっていく…。
『case ジビア』
クラウスを尾行していたジビアは、クラウスが貧民街の少女から掏摸に遇うのを目撃し…。
『case サラ』
普段は積極的に主張をしないサラ。クラウスと少女らの戦闘で損耗する陽炎パレスを危惧し、一人蟠りを抱えていた。それを気にしたクラウスは少女らにとある勝負を持ちかける。
『case モニカ』
モニカが養成学校で落ちこぼれた理由_それは、限界が見えたから。ある任務に単身乗り込み少年の師匠となり、『灯』のメンバーとして生きていくに当たっての心に、変化の火が灯るまでの物語。
『case グレーテ』
『焔』メンバー時代のクラウスの思い出が詰まったミートパイ屋が、レシピ強奪を企む食品メーカーから嫌がらせを受け店を畳もうとしていた。クラウス不在の間に、少女らは知恵を総動員し閉店阻止に動く。
『花嫁ロワイヤル』
結局、花嫁が誰かを特定出来なかった面々。話は、新しく花嫁を決めれば良いのではという事となり、バトルが幕開ける。生き残ったのは意外な人物?!
感想
クラウスの花嫁は誰なのか?というテーマから、ジビア、サラ、モニカ、グレーテの4人の過去話を通じて探っていくという展開でした。
どの話も感情が揺さぶられて良かったです。強いて1番を挙げるとしたら、グレーテの話かな。いや、そもそも8人のヒロインの中で、グレーテが1番好きなのかも。一途なキャラが好きなのです。最後少し頑張りが報われる感じが良かったです。
スパイ教室には、クラウスしか恋愛対象がいないと言っても過言ではないし、誰とも恋仲になりそうにないのがアレですけどね…。少なくともモニカ以外は、好意がクラウスに向いていると見て良いのかなぁ。
そして、どの短編でも各々の能力が生かされた物語になっていたのも良かったです。ジビアは窃盗、サラは調教、モニカは盗撮、グレーテは変装と智力。
モニカの話は、意外と今まで語られてない部分もあったのでモニカの事を今回、少し深く知れました。冷静な彼女が非効率な行動を選択するシーンは、ある意味で成長だったと思いました。
ポコッコンでも美味は草w
あとがき
結局、花嫁の座はジビアからリリィに移ったというのが今巻の総括でしょうか。
残り4人の短編集にも期待です。
2022.4.23