心和のラノベ感想

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魔法科高校の劣等生2 入学編〈下〉感想

魔法科高校の劣等生2


今回は、劣等生2巻です。

確かによく考えてみると、始まりから上下巻構成っていうのも珍しいし、イレギュラーですね。この作品は、イレギュラーが正統の道を突き破っていくところに重きを置いているとのことで。

あらすじ

桐原と壬生の魔法使用の一件が落着した後、壬生は達也に接触を図る。何でも、壬生は魔法による差別について学校に訴えを起こすつもりである、と。

その主張に対し、空虚なものを感じていた達也だったが、事情が明るみになるにつれ、壬生と反魔法政治結社『ブランシュ』との関連が浮上し…。

感想

入学編に際しては、ブルームとウィードの格差に着目した話が主だったなと思います。これはまぁ、現実的に見ても才能の差で平等ではないと指摘されているのに近いです。

本文中の、『政治的な集団を形成するメンバーが自発的に「有志」となった事例が、有史以来、一体どの程度有っただろうかと、つい考えてしまったのである。』という記述が面白いですね。

魔法を使えない人たちが蔑まれて貶されているという事実は確かに存在する。一方で、給与や部費などの支給額の差の実態は、魔法の有無ではなくて、優秀さやもっと言えば、貢献度で見れば当然の分配という話です。

そこで、考えが甘いと、魔法の格差撤廃を標榜する有志団体の甘言に惑わされてしまうという諫言がそこにはある。その実、この有志団体の裏側には、国の魔法力、引いては国力を下げさせしめんとする思惑が隠れていたり。

しっかりと主義主張とその奥にあるものを見極める必要があるなとまあ、そんなことを考えさせられました。

恋愛面では、壬生先輩には正にごちそうさまって感じでした笑。憧れと恋愛対象って違うんだなぁと思いました。手の届かない人より、自分に近くて親身になってくれそうな人に惹かれるもんなんだな、と。

あとがき

少しずつ達也の異端さのベールが剥がされつつあるように思います。今回の一件は、敵が弱かったので何て事ない話でしたが、徐々に相手の規模も上がっていくんだろうなぁ。

小野先生の正体やら風間少佐についても、今後分かっていくかな…?

2022.3.26