今回は、イリヤ最終巻です。
正直なところ、初読後としては少しモヤモヤ感が残っている気がします。所々謎が明かされたところとそうでないところがあって、どう解釈したら良いのか微妙な部分もありました。
ハッピーエンドなのかバッドエンドなのか、作者も言及されていましたが、どうでしょう…?愛を確認し合えたという点では良くても、添い遂げられなかったらラブコメという観点からはバッドエンドなのかなぁ。
将又、浅羽がイリヤにとって必要な存在になれたことだけでもハッピーエンドと言えるのでしょうか。
あらすじ
イリヤとの逃避行で、2人は休校中の学校に忍び込んで暮らしていた。そこで、放浪生活中の吉野に出会い奇妙な同居生活が始まっていく。
しかし、そんな生活も長続きはせず吉野の強姦未遂により、2人の逃避が再開。浅羽は、溜まっていた怒りをイリヤにぶつけてしまい、そこからイリヤの意識は退行していくことに。
感想
このシリーズを4巻読んできて、作者は何を伝えたかったのかなと考えているのですが、まぁ受け取り方は人それぞれだと思います。
個人的には、人間の愚かしさへの風刺と、平和の冀求と、加えて一風変わったラブストーリーなのかなと感じます。
SFチックでマニアックで、所々読みづらい部分もありつつ、コメディやラブな要素もあって、何と言っても先の読めなさが、近頃のラノベとの相違かなと思いました(直接的な表現もチラホラあって笑いました)。
普通の経験してたんじゃ書けないような内容ですよね笑。
イリヤが学校に編入してきた経緯や、プールに忍び込んだ理由は明かされましたが、結局イリヤは何と戦ってたんですかね…?本当に宇宙人との戦いで、水前寺が目撃したのも本物のUFOだったのでしょうか。
色々と考察は出てそうなので、漁ってみたいですね!
そういえば、着たきり雀って言葉初めて目にしました。言わんとしてることは字面から分かりますが。
あとがき
一夏とか、ボーイミーツガールとか、生きる理由とか、割とテンプレっぽい要素詰め合わせなんですが、とても独特な世界観の作品でした。
ただ、個人的には、少し重たかったかなという気がします。もう少しお約束を踏んでも良いというか、ハッピー寄りの方が好みかな、と。
2022.2.27