心和のラノベ感想

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豚のレバーは加熱しろ 感想

豚のレバーは加熱しろ


今作は、第26回電撃小説大賞の金賞受賞作品です。そして、つい最近アニメ化が決定し、今後人気が加熱するかどうかといった感じでもあります。ジャンルは異世界転生ものです。

あらすじ

豚のレバーを生で食べ体調を崩した俺は気が付くと、異世界転生し自身は豚になっていた。出会った金髪美少女ジェスは、イェスマという種族で豚の心の声を聞くことができ、お人好しよろしく助けてくれたのだった。

感想

昨今、異世界転生ものは大分使い古された感があります。このジャンルの中でも、パターンはいくつか散見されて、主人公最強の無双やハーレムなものが多いですが、一方で最初は何も能力がないものの、成り上がりしていくタイプのものもあります。そういう分け方をするならば、今作は大体後者だと言えるでしょう。

そして、斬新なのが主人公が人ではなく豚として転生するところです。最初は、ローアングルからのスカート覗きなんてメリットもありましたが、別に豚じゃなくても良かった気もします(根底から崩れちゃうけども)。声豚とか萌え豚とかいう言葉がありますが、ヒロインに豚さんと言わせ続けるというのも魅力と言えば魅力かな?笑 実際、主人公の名前は1回も出てなくて、ジェスからも主人公の名前を聞くシーンがないのは珍しいですね。また、豚の内心がジェスにダダ漏れなのは、ロシデレに近いものを感じました。まぁ、こっちは相手に伝わってることを自身も理解していますが。突拍子もないですが、豚に恋していくヒロインってのも無理があるのではという気がするんですがどうでしょう。

序盤は新鮮味があって、今作の異世界の設定を理解しようとしたり、主人公の自虐ネタなども面白かったですが、中盤からは特筆すべき部分はなくて、スラスラとは読み進められなかった印象です。ブレースさん折角救ったのに退場早過ぎでしょ…。あと、イェスマ狩りの人なんて王朝前で待ち伏せしてれば安牌なのでは。そして、何か急に心の声でのやり取りが豚とジェスだけのものではなく、共感覚みたいになるしよく分からない。王朝は、魔法使いの数を調整するためにイェスマという身分を作ったみたいな話が明らかになりますが、鮭の放流みたいな方法をする必要があるのかも微妙。

イラストレーターである遠坂あさぎさんの絵は、とても綺麗で上手だなと思いました。

あとがき

個人的にはハマらなかったです。ただ、既に5巻まで手元にあるので、ちびちび読んでいこうと思います。次回は、一旦現実世界に戻った主人公が再び異世界に戻って〜という話になるようです。豚の不自由さをどうプラスに変えていくか、今後に期待したいと思います。

2021.12.26