心和のラノベ感想

1ヶ月15冊読了目標!

扇物語 感想

扇物語

今巻は2020年10月に発刊で、今年の8月には死物語上下が同時刊行されています。物語シリーズのナンバリングとしては、26冊目(混物語を入れると27冊目)になりますね。

僕の物語シリーズとのファーストコンタクトは、アニメからでした。現在、続・終物語までが映像化してますが、そのどれも演出が凝っていて、会話劇でも視聴者を飽きさせない名作だと思っています。そして、アニメが面白い=原作が面白いの法則に則って、輓近小説の方も読み出したという経緯になります。普段読み慣れているラノベのサイズはA6で1段ですが、物語シリーズ(講談社BOX)はB6で2段組なので、最初は面食らったものです。

物語シリーズラノベとジャンルをカテゴライズして良いものか、というのはまた機会があれば触れるとして(多分ラノベで合ってる筈)、読み応えありますし、やっぱり原作も面白い。前に僕が触れた、何か学べる所があるとか、文章としても物語としても良いとか、面白い要素を満たしているんですよね。

最近の物語シリーズは、ミステリー寄りになってきたり、現実のトレンドが入れてあったりと当初の毛色とは異なってきているきらいがありますが、依然として以前同様楽しませていただいています。シリーズも長いので、既出の記述が出てきたりすると読者も嬉しいですし、所々クスクス出来る箇所も多くて良いですね。

今回は、扇物語とタイトルコールがある為、ミステリー寄りかなと思いきやそうでもなかったという笑。でも、表裏の話でいち早く続終物語の時の扇ちゃんが浮かんだので、やっぱり扇物語なんでしょう。

あらすじ

・おうぎライト

暦は命日子から、元カレが必要以上に夜這いをした事について謝罪してくる事に困っているとの相談を受ける。次いで、暦は戦場ヶ原、老倉と続いて過去を掘り返しての執拗な謝罪を受ける。異変を感じた暦は、地元に戻り調査を始め、怪異が絡んでいるのか、共通点は何かが判明していく。

・おうぎフライト

人を呪わば穴二つ。撫子は疇昔に蛇に取り憑かれた際に、撫子を呪ったクラスメイト2人の下へ、臥煙さんの頼みで向かう。

それから、蛇の総本山、洗人迂路子を仕留める為に、貝木と斧乃木ちゃんが加わったチームが結成される。

感想

今回のテーマは、謝ること、許すこと、謝罪といったところでした。加害と被害は、人によって感じ方が違うから難しいというか。被害は、加害者がどう思っていようが被害者が被害を受けたと思っていたらそうなってしまうし、被害者がもう許している事に対して、加害者は謝り足りないと思っているかも知れない。結局、人間は自分のことでさえ理解し切れていないものであるから、他人の事を全て分かるというのは、そもそも土台無理な事なんだと思います。情報の非対称性があるからこそ、共感できた際には存外の喜びがあるとも言えますが、それも一過性に過ぎないんだろうなぁ…と思うと少し空虚な気持ちになってしまいますね。

今回は珍しく戦場ヶ原さんが怪異に巻き込まれてました。最近のひたぎさんは、高みの見物が多かったですからね…。物語シリーズ好きの方は、今のひたぎさんと、ツンドラ時代のひたぎさんのどっちが好きなんだろう?僕は、ぶっちぎりで後者です。貝木さんもつまらなくなったと評してますし。まぁ、毒舌を第三者目線で見てるだけだからかも知れませんが笑。そう言えば、どこかで暦とひたぎは、破局の危機が4回あったと書かれていた記憶がありますが、今回はその2回目だった訳ですね。そして、暦も老倉を結構好きだよなぁ笑。

また、ラノベでは恒例と言っても過言ではない、ある文言のみで1ページびっしり埋めるってのが、今巻にもありました。あれを見ると、ラノベ読んでるなという気分になれるので個人的には好きです、読み飛ばしちゃうけど。

おわりに

次回は貝木が出てきそうなので、かなり楽しみですね〜。そもそも、撫子を神から人間に戻した後どうなったのかも気になるところです。

2021.12.12